私の最大の喜びは、ジャックが食事時のエチケットを破ってくれたことである


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私の小さいウィペットが死んだ。過ごした日々はわずか5年だったが、
悲しみの重さは支えきれないほどである。

シェルターから受け取ったときもまだ骸骨のようで、皆は一か月持たないだろうと言った。
何の反応もない。
ただ恐怖の中に住んでいるこの小さな生き物の心の中に入ることができなかった。

彼女をジャックと名付けた。短くでシャープではっきりしていて
コマンドを教えるときに非常に便利な名前である。

あまりにも悲惨な経験をもち、ダメージが大きすぎて、
犬であるということを忘れてしまった犬であった。
走ることもできない。5年間どんな虐待を受けていたのであろう。
人間とも他の犬とも何の交わりもなかったに違いない。
私の他の犬たちにも無関心である。
トイレのしつけもできていない。階段を上がるという動作が理解できない。
立っている場所で眠る。ベッドの存在も知らない。人間とも玩具ででも遊ばない。
ジャックは犬ではなかった。

しかし、ゆっくりだが、だんだん私が家に戻ると
ちょっと嬉しそうな様子を見せるようになった。
触られ、撫でられることを喜ぶように見え始めた。
散歩に行く様子を見せると一緒に行こうとする。
ご飯やおやつのときもゆっくり近づいてくるようになった。

そしてある日私は見た。

私の別の犬、ウインク、いつも母親のようにジャックに接していた犬に頭をもたせかけて、
ベッドの上で心地よさそうに丸まっていたのを!!!

ここからジャックは大変身を遂げるのである。
彼女の声はおかしな、タバコのみのような吠え方であることが判明する。

夜寝る前、庭で最後のおしっこをさせるのだが、深夜うろつきまわる狐たちを見て、
他の犬たちと一緒にジャックも吠えたのである。
ドアでべルがなると反応する。
チョコレートとナッツの素晴らしさを発見した(どちらも犬には悪いのだが)
チーズ、ヨーグルト、そして彼女のバナナ好きにはかなり参った。

そして私の最大の喜びは、ジャックが食事時のエチケットを破ってくれたことである。
テーブルに震える足をのせて、
私の皿の上にある食べ物をしつこくねだったときの私のうれしさと言ったらなかった。

その同じ足で、寒い冬に私のベッドから布団をひきずり落とすことを覚えた。
長い身体をくっつけて私をベッドの端に押しやるジャックを見て
犬の中でウィペット種が一番自分のことしか考えていない犬種ではないかと
確信するに至ったのである。

それでも走らなかった。私の視界から消えてなくなることはなかった。
他の犬たちがボールや木の枝を追いかけているのを見ているだけだった。

しかしだ。私のところに来て3年目の夏、ジャックは参加したのだ。
私に彼女の持っていた枝を投げてくれと言ったのだ。
私は投げた。ジャックは走った、走った、走ったのである。
長く、サークルを描きながら息の切れるまで。
彼女が先祖から受け継いだもの、走る犬であったこと、
走ることにより喜びが放出される犬種であることがわかったのだ。
走るゲームは恒例のものとなった。

しかしそれも秋までだった。ジャックは走るのをやめてしまったのである。
スピードがなくなり、寝る時間も増えてきた。夜もたびたびおしっこをするようになった。
獣医は心臓と腎臓を悪くしているので、もっても数か月だろうと言った。
スクランブルエッグの中に薬を混ぜても、ジャックの病状は進むばかりで、がんも見つかった。

がんはすぐに痛みを伴うであろう。終わらせなければならないと思うのだが、
ナッシュに安楽死の注射をしたときに、痛みで叫んだことを思いだす。

私がジャックに手を下したい。致死錠剤はないのか。
犬を愛している主人が与える死の錠剤がないのはどうしてだ。
絶対の信頼を寄せている飼い主の手から与えられる心地良い死より
動物にとって愛情あるものが他に存在しているとは考えられない。

この小さい生き物、心から愛していたジャックに、
最後の瞬間まで痛みがなく、心地よい生を全うしてほしかった。
私の腕の中で静かにあちら側へ渡ってほしかった。
誰か知らない人が突然目の前に立ちはだかることは避けたかったのに。
しかし現実は現実だ。ジャックは私の膝の上で腕の中で逝ったとも。
しかし、彼女はそこに獣医という知らない人もいて、きっと心配しただろう。
私たちの別れは二人きりではなかったと気付いていただろう。


The Whippet who learned how to be a dog at last

「ジャック、私の小さなウィペット犬が死んだ」
By Brian Sewell (15 June 1931 – 19 September 2015)

Jack at the kitchen table rz
photo from
http://www.whippetrescue.org.uk/2013/06/jack-friend-of-brian-sewell.html


しっかり休めよ、リトルマン


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ベッドの上で、私にくっついて寝るのが大好きだったのに、今朝姿が見えなかった.

おかしいと思ったら、ベッドの下で息絶えていた。
やはり動物はあちらの世界へ一人で行くのが好きなようだ。

猫免疫不全ウイルスとよく闘った。
インテリで、詩人で外交術に長けていて、つつがなく事が運ぶのを愛していた。
矜持を持った男であり、私の哲学の師でもあったレビは
今朝方短い闘病の末、眠っている間に逝った。

動物サンクチュアリー、ビーチハウスの忠実なメンバーであったレビの喪失をみんなで悼んでいる。
素敵な思い出ばかりだ。寂しくてたまらない。

しっかり休めよ、リトルマン。絶大に愛しているよ。

by Seán McCormack





永遠にあの子たちの場所がある


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The dogs who have shared our lives

共に人生を分かちあった犬たちは
確かな方法で彼らの魂がまだそこにいることを教えてくれる

特に昔の習慣を使って。

ドアのところで吠え声が聞こえたような気がする
おやつを床に落としたとき、思わず待ってしまう。
餌を置いていた場所にどうしても足がむく。

そして時々だが、本当にたまになのだが、
夜、家に戻ったとき
寂しくて寂しくて泣き崩れてしまう。

時が経ち、新しい友達がきて、新しいボウルに餌を入れるけれど
胸の中に永遠にあの子たちの場所がある

リンダ・バーンズ


更新が滞っておりますが、最近はお伝えしたいと思う記事に巡り合わないので、ぼちぼち。




逝ってしまった犬への手紙


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一番辛い別れは、さようならを言えなかったこと。何の説明もなかったこと

The most painful goodbyes are the ones
that are never said and never explained


突然天国へ逝ってしまったレトリーバーのジョシュアへ

ロンドンからトンブリッジへ続く道すがら


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ロンドンからトンブリッジへ続く道路にある標識。
交通事故で命を落とした多くのペットのため、地主が作成したもの。
人々は花をたむけ、ガレージ経営者は墓碑を刻んだ。1935年イギリス

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プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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私に何の関係があるというのだ

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