命を救うサービス業 How We Did it 7

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ネバダ・ヒューメイン・ソサエティの成功の秘密を惜しげもなく披露いたします。

人が遊ぶ時間を有効利用せよ

ビジネスで成功したければ、人が仕事をしていないとき、
たとえば、夜間、週末、祝日が最大のチャンスである。
動物を譲渡するのにこの時間帯を見逃すことはできない。
しかしそのために余分な人件費や動員が必要になることにはならない。
動物譲渡が少ない朝の時間の出勤を遅らせたりする工夫をして、
十分調整はできるのである。

人が来るのを待つのではなく、動物を人にもっていく

統計によると動物シェルターから動物をもらう人はほとんどいないそうである。
そんなことなど考えたことのない人が多数である。
そして残りはシェルターの動物に対して間違った考え方をしており、
訪問しようともしない人たちばかりである。

これらの障害は従来のやり方をちょっと離れて工夫すれば容易に克服できる。

「衝動買いは悪い」という古い概念にとらわれるのはやめよう。
研究論文でもこれは間違っていると発表されている。
人間の本能は性能が良いのである。
気高く正しいことを選択する能力があるのだ。
それは動物を選び、彼らに暖かい家を与える選択においても
十分発揮できうるものである。

動物と触れ合うことを推進しよう。
触って、一緒に過ごして、恋に陥いってもらおう。
里親にならずとも動物たちは触れ合ってもらうことだけでも喜ぶのだから。

旧式な動物シェルターの専門家は動物との接触を最小限にとアドバイスするが、
動物と触れ合いたいと思うのは人間の自然な欲求である。
政治家と商売人はこれを知っていて、それぞれの立場で大いに利用しているではないか。
私たちも命を救うサービス業という仕事において同じ心理学を応用できるはずである。

動物と交わり、触れ合うことによって譲渡数を増やすことができるだけでなく、
動物たちもストレスが軽減し、病気に対して強くなる。
動物は一緒に遊び、触れ、抱きしめられることにより健康になるのである。

私たちはロビーに「猫ルーム」とショーケース・ケージを置いている。
皆の目にとまり、そばによって見てくれると考えたからだ。

またボランティアが犬の散歩に連れていくとき、
「里親になってください」と書いたベストを着せて、
シェルター内を歩きまわる。この効果は絶大である。
ベストを着せた犬たちはケージの中やガラスの中で見
せる犬よりも、もっと早く里親が見つかるのだ。
人々は動物たちと「直接関わること」ができるからである。

私たちは動物が人と相互作用できる機会を絶え間なく探し続けている。
最近ではキャット・コロニー・ルームを作った。
部屋の中にはカウンターがある。猫はそこに自由に乗り降りできるのが大好きだ。
入ってきた人たちはそのカウンターで猫と話しができる。
カウンターは人が動物と触れ合う理想的な高さである。
そしてなんと、これによってその部屋にいる猫の里親が劇的に増えたのである。



貰ってくれる人がいると信じること How We Did It 6

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5.譲渡数を増やすために

ゴール達成のためには人々の協力と共通の意識を持ってもらうことが不可欠である。
それを衆知しなさい。家のない動物たちの命を救おうとしていることを宣言し、
そのゴールに到達できるように、スタッフに、ボランティアに、一般の人々に助けを求めなさい。
目標を達成できたら皆に感謝し一緒に喜んでもらうこと。

私たちが1000匹の譲渡をゴールとし、1006匹に達成したとき、
感謝のニュースを地域の人々に伝え、キャンペーンに寄与してくれたスタッフに
ピザのバウチャーを配った。

ひとつひとつの譲渡が祝いである。実現のたびにトライアングルを慣らし、
スタッフはすべて仕事をやめ拍手で送る。
私たちの仕事を再認識し、里親になってくれ人たちにへの敬意である。
デスクの後に譲渡数を貼りだし、目標までどのくらい達成したか、
あとどのくらいあるかみんなに見てもらう。

この子達はみんな貰ってくれる人がいると信じること

うまく運営されていないシェルターは里親になってくれる人が少なく、
可愛い動物や扱いやすい動物だけがひきとられていく。
しかし愛に限りがあるはずはない。
危険な動物や重い病気にかかった動物を除いては
みんな貰ってくれる人がいるはずである。
一匹一匹適正な売り込みができるかどうかによるだけである。

譲渡スタッフは二つの役割をになう。
動物たちの幸せのためにきちんとした家にもらわれていくようにすること。
そして訪ねてくる人や飼い主になる可能性のある人たちにとって完璧なペットを探せるよう
質の高いカスタマーサービスを提供すること。
to be continued...


やはり気合とそれをバックアップする洞察力、企画力、実行力でしょうか。

How We Did It 5

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At Piccdilly Circus

ノンキルシェルターとして成功しているネバダ・ヒューメイン・ソサエティの
成功の鍵4番目の最後の2項

マスコミ

広告は非常に大切である。寄付をしてくれる人や地域でビジネスを営む人たちに
自分たちは何をやっているのか、
なぜやっているのか、そしてどのように助けてもらいたいのかを知らせる最良の方法である。
ラジオ、テレビ、オンライン、印刷物などを使って譲渡情報、ゴールに向けての進捗状況など
定期的にニュースを発信したい。

おもしろいイベントやプロモーションを企画し、ニュースを共有することによって
マスコミとの関係を大切にすれば、代わりに動物が必要としていることを公衆に知らせてくれるのである。

マスコミからのアプローチを逃さないこと。時間の許す限りどんな質問にも誠心誠意こめて答える。
スタッフにもマスコミからの電話は優先順位が高いことを知らせ、
すぐ責任者に電話を回すように伝えておく。

地域の住人の意見感想を大切にする

私たちは一ヶ月に地域住民と90分のミーティングを開く。
ボランティア、レスキュー隊、そして関心を寄せている市民などが集まり、
意見や質問、興味あるトピック、あるいは向上のための提案などを交換する。
まず最初にいろいろな議案を黒板に書いていく。
その中で話し合いたい内容をみんなで投票して優先順位を決める。
そうすればトピックに偏ることがないからである。
また時には内容を予め決め、事前に知らせる。
どちらにしろ決められらた時間内で脱線しないように
リードする協力なリーダーが必要である。

ミーティングをすることにより、
地域コミュニティが必要としていることを知ることができ、
同時に私たちがチャレンジしようとしていることを地域の人に知ってもらえる。
もし問題があれば大きくなる前に食い止めることができる。
何より動物の問題はシェルターの人間だけがやっているのではなく、
地域全体の問題ととらえ、コミュニティの役割を実感してもらえる。
そしてそれがより一層のサポートとなるのである。

Continued...


日本では住民と対立しているような印象を受けます。
その究極は、住民の苦情を避けるために
走るトラックの中で犬猫を殺戮処分している地方の保健所ではないでしょうか。
ノンキル・シェルターの実現は地域住民と同じ方向を向き、
協力しあっていくことなしにはあり得ないと
ネバダシェルターは訴えます。

まずノンキルと宣言すること How We Did It

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At Primrose Hill

4 地域コミュニティにインスピレーションを与え、巻き込むこと

まず宣言をすること

ノンキルシェルターだと公言することにためらいを持つかもしれない。
しかし宣言をする行為そのものが強力な影響力を持つ。
ノンキルをゴールとする内部での士気をあげるばかりだけでなく、
あなたたちがやろうとしていることをサポートしてくれるコミュニティを鼓舞し、
エネルギーを与えることができる。

動物を愛している人はたいてい悲惨な運命にある動物たちの命を救いたいと思っている。
しかしみんなそれぞれの生活があるのだ。そういう人たちに喚起を促し、
関わってもらうためには、大きな、エキサイティングな、努力が報われる、
そういう活動があるということを知らせ、
みんなもその実現へと向かう力となれるのだとわかってもらう必要がある。

ノンキルコミュニティを全力でつくるという宣言は、実現を可能にする
サポートを得る大切なステップである。
人々にどういうふうに協力してもらいたいか明確にすること。
ある目的のための寄付をしてもらう、
ある仕事に関してボランティアをしてもらいたいと呼びかける。
たとえば、犬の散歩、猫と遊ぶ、パンフレットを配る、
フォスターファミリーになるなど。

大切なことがある、ノンキルをゴールとして宣言したからには
ガラス張りにしなければならない。
そして進捗状況と統計を定期的に公表すること。
私たちは月ごとに数字を公表している。
コミュニティのメインのシェルターに収容される動物の数、
譲渡数、殺戮数、今年と昨年の分両方。

ボランティアプログラムを作る。あるいは現行のものを活性化させる


簡単なものから高度なものまでボランティアの内容にバラエティをもたせること。
一ヶ月数時間のボランティアでもシェルターの動物たちの大きな助けになることを知らせる。
最初はゆっくり、少しずつでよい。

時間があまりとれないボランティアもいるが、
少しでも役に立ちたいという思ってくれる人ばかりである。
ボランティアといっても、本当の仕事である。
ボランティアに求められるものを明確にし、仕事内容も月ごとに再確認する。
簡単なオリエンテーションと動物の扱いのトレーニングセッションも行う。
大切なことは難しいことだと思って欲しくないことである。

ボランティアのひとつとして、フォスター・ファミリーがある。
小さすぎて譲渡ができないもの、臆病すぎるので、少し慣らす必要があるもの、
あるいは医療ケアが必要な動物たちを世話をするボランティアである。
よく開発されたフォスターファミリープログラムは
シェルターの救命率を劇的に変えることができるはずである。


ノンキルシェルターというようり、ノンキルコミュニティを作っていこうということですね。
地域の住民のサポートなしでは実現は難しいです。
日常生活に埋没していく私たちに刺激を与え続ける作業もなかなか大変だと思いますが、
ネバダヒューメインソサエティのサイトはいつでも元気一杯です。


安楽死ではなく殺しと呼ぶことに決めた How We Did It 4

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How We Did It

2. 正しい乗組員を乗船させること

ジム・コリンズは著書の中で成功したビジネスや企業は「正しい乗組員を船に乗せる」ことに
かなり時間を費やしていると述べている。

どんな組織においても人材というのは心臓であり、魂であることは明白であろう。
ゆえに私たちの使命とゴールを理解し、生命を救うことが何よりも優先とする概念を共有し、
仕事に対する倫理観が強いチーム・マネージャーやスタッフを探すことに時間をかける。
さらに自己のの技術や能力、そして過去の成功の実績を証明できる人物を求める。

組織の変革を試みようとする時、協力的な人間とそうでない人間がいる。
レストランで改革を行った同僚の話であるが、
スタッフの3分の一は辞職し、3分の一は(トレーニング後)強力なメンバーとなり、
あとの3分の一は辞めてもらうことになったということである。

たとえポジティブな変革であろうと、かなり多数の人間を切らなければならないこともある。
誰にとってもあまり感じのよくないことであるが、
物事を効果的に前進させるためにはやむを得ないことである。
たとえどんなに難しい決断であったとしても、
動物と獣医師のために、私たちにはやる責任がある。
そして正しい人がチームに入れば、多くのことはすばやく、適所に収まるのである。
チームの一人一人が、動物の命を救うということに情熱的に関わり、
力の限りサポートするという心構えは絶対条件である。

3.救命にインパクトを与えるすべてのプログラムを精査すること

あるプログラムが救命への実績に劇的かつ早急に効力が見られなければ、
よく考慮したのち、捨て去ること。
一見良さそうに見えるかもしれないが、救うべきすべての動物が救われるまでは、
地域のホームレスの動物たちの本物の安全ネットを確立すべく、
プログラムや持ち駒を常に見直す必要がある。
救命するのは来年の話ではなく、今この瞬間なのである。

それと並行して救命を常に最重要に設定しつつ、
シェルター内で物事が適材適所か常に注意し、
適宜調整していかなければならない。たとえば、
私たちはの里親募集のスペースに、小売店を載せていたのを削除したし、
地域の人たちに救命にすぐに関わってもらうことが先なので、
従来の教育プログラムも見直し後、はずすことに決めた。

言葉の力

人間は名前の力に影響される。なので私たちはそれぞれのの使命を反映させる
名前や仕事のタイトルを変えることにした。
「引き取り場所」はアドミッション、犬小屋係りはアニマルケア、
オフィスアシスタントは譲渡カウンセラーといったように。

そして私たちはきれいごとの中に真実を隠したくないということとし、
動物の命を終わらせる重さを忘れたくないという思いで
安楽死と言う言葉を廃止することにした、。
そしてそのことを「殺すこと」と呼ぶように決めた。


理性的であること。最優先事項を死守し、時間を無駄にしない。
安楽死でなく、「殺す」という言葉を使い、動物たちの命を絶つことの重さを受け止める。
ノンキルシェルターとして成功している組織の2番目と3番目の鍵です。


プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
ホームページ
私に何の関係があるというのだ

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