2014年バタシー・ホームの門をくぐった1000匹目の犬

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イギリスの動物チャリティ団体の数はどのくらいあるのか


いくつあるのかと聞かれても困る。多いのである。RSPCAは大きなお父さん的存在だ。
RSPCAだけで17のローカルセンター、40アニマルセンター、
4か所の野生動物センター、4つの動物病院、
プラス国中に40の病院やクリニックを有する。

ドッグ・トラストはドッグ・チャリティの最大手であり、
猫のそれはキャッツプロテクションという。

PDSAは動物のための全国に網羅されたクリニック、病院チャリティである。
獣医費用をまかなうのに余裕のない人たちに
治療、アドバイス、サポートを提供する。
また動物クリニックのない地域に獣医費用の支払をサポートする。

ブルー・クロスは犬猫の里親探しをすると同時にクリニックや病院も運営する。
バース・キャッツ・アンド・ドッグ・ホームやバタシー・ドッグ・アンド・キャッツ・ホーム、
メイヒュー・アニマル・ホームは捨てられた動物たちを健康にして
新しい家庭に送り出すそのパフォーマンスの高さで有名である。
その他小さいところから大きなところまであまりにも多すぎて数を追うのは非常に難しい。

The Telegraph
Peter Wedderburn

この果てしない数の動物チャリティ団体を横につなぐ一番大きな団体が
The Association of Dog and Cat Homes。
加えて2006年に動物レスキュー・センターをサポートする団体,
Support Adoption for Pets が発足しました。
この団体の活動のひとつにチャリティ団体への奨励金があり、
今回12万ポンドという奨励金を受け取ったのはバタシー・ホームでした。

実はバタシー・ホームは以前より新しい犬舎を建設する計画を立てています。

バタシー・ホーム・ロンドン・センターの計画

154年の歴史を通じて、バタシー・ホームの創始者の決意である
「助けを必要としている動物たちに絶対門前払いをくらわさない」
の姿勢は死守されつつも、場所が崩れ落ちている。

ロンドン・センターは改築が必要である。
毎年3000匹以上の犬を受け入れるために
ビクトリア時代の犬舎を廃棄し、
犬の滞在期間を短くすべく特別にデザインされた
犬舎に生まれ変わる予定である。

これまで100万匹以上もの犬に家を見つけた私たちは
いまだに1907年に作られたものも使用している。
新しい犬舎は56の部屋に分かれていて床暖房、外の運動場も完備し、
ベッド食餌場所、遊ぶ場所も備えている。
排水を改良し、隔離施設も充実させれば衛生的で感染のリスクも少なくなる。
そしてもっと多くの人が動物を探しに足を運んでくれるよう、
公共の場所も素晴らしいものにしたい。


新しい犬舎の予定図

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バタシー・ホームの喜びの声


2014年の1000匹目の犬、ペペがバタシーの門をくぐったそのとき、
ロンドン犬舎建設費用の補助として、Support Adoption for Petsから
12万ポンドという奨励金が与えられるという嬉しいニュースを受け取りました。


一日平均13匹の犬が毎日やってきます。古い犬舎はもう目的をなしていません。
新しい犬舎を建設するのに190万ポンドかかり、支援者と一緒に金を集めています。
そういうときにこの大金をいただけたことは非常に嬉しい。
新しい犬舎は安全で清潔で弱った動物たちの病気やストレスを最小限に抑え、
迷子になった犬を飼い主に、捨てられた犬に早く里親を見つけることができます。


2014年バタシー・ホームの門をくぐった1000匹目の犬ペペ

Pepe 1000th dog

Battersea Dogs & Cats Home ホーム・ページより

バタシー・ホームの犬舎は古いけれど、清潔でそんなに悪くないとは思っていたのですが、
決してその場に立ち止まらないのですね。新しい犬舎早く行きたい。



ロンドン見学にやってきた猫

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70マイルの一人旅、ロンドン見学にやってきた猫

おんとし18歳のエイミーは先月コルチェスターの自宅から忽然といなくなった。
必死に近所を探す飼い主。しかしいくら探してもどこにも見当たらない。

そして驚愕の展開となる。
同日、ロンドンからエイミーを保護していると電話があったのだ。
ロンドン?コルチェスターからロンドンまで70マイル離れている。
なぜ?どうやって?一日で?
飼い主のジャクリーンとコリンが
バタシー・ホームから連絡を受けて気絶しそうになったのは想像に難くない。

エイミーはグリニッジの大学キャンパスにいたところを
通りかかった市民がバタシーホームに連れてきてくれたそうだ。

ジャクリーン
「エイミーがロンドンにどうやって一日で到着したのかまったくわかりません。
家の近くをあちこち探しましたが、
ロンドンから電話があるなんて誰が想像するでしょう!

最近配達のバンをよく見かけるけど、
たぶんそれに飛び乗ってロンドンにいったのでしょうね。
エイミーがマイクロチップをしていたこと、
通りで見かけてバタシーに連れていってくれた人、
保護して私たちに連絡してくれたバタシーのスタッフに感謝します。
エイミーはとても冒険好きなので、こうなったのでしょう。
大冒険のあとで無事に家に戻って嬉しいです」

「バタシー・ホームは年間3000匹の猫を保護します。
そのうち75%はマイクロチップをしていません。
つまり飼い主の追跡が不可能だということです。
猫は好奇心が強いのでとんでもないところへ行きます。
首輪は100%安心できるものではありません。
特にエイミーのような猫はマイクロチップがマスト・アイテムですね。
バタシーにやってくる多くの猫たちは
暖かい家からやってきたということが明らかで、
何とかして心配している飼い主に戻してやりたいと思うのですが、
マイクロチップなしで家に戻す道はありません」
とバタシー・ホーム猫舎長のリンゼー。


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大冒険のエイミー

Battersea Home

マイクロチップが普及していなかった昔は
猫がいなくなると悶絶の苦しみでしたね。

猫は「だいたい行きそうなところ」「心あたり」「手がかり」などまったくありません。
悪い考えを膨らませながらやみくもに探しまわるのみのでした。

今回のバタシー・ホームの記事のメッセージ、
エイミーが身をもって教えてくれたマイクロチップ、
皆様もどうぞ。犬猫マスト・アイテムです。





神の導きの天職

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ハリー・ポッター・スタジオ


ダイアンジョンソンは妻であり、男の子と女の子、
5匹の猫と8歳半のセントバーナードのカイラの母である。
そしてバタシー・ホームのオールド・うインザー支所の受付として
14年以上働いている。

「私の一日はコンピューターをアップデートすることから始まります。
9時に電話回線があくと洪水のように電話がかかってきます。

こんなに長く働いていてもいまだに驚くような質問に遭遇します。
最近おかしかったのはマイクロチップをしていれば
自分の犬を追跡できるかというものでした!

毎日10時半に開くドアの前で猫や犬をもらいたいという人たちが待ち構えています。
見学に来るだけの人もいます。

ペットを失くした人たちが、新しいペットを探しにやってくるケースもたくさんあります。
天国にいったペットの写真を見せてくれて話をしてくれますが、一緒に泣いてしまいます。

将来飼い主になってくれるかもしれない人たちの行動を見るのがとても好きです。
まず登録をし、面接をし、ペットを選びます。
もし先住動物がいるときは連れてきてバタシーの動物と面会させます。
すべてうまくいけば、必要な書類に記入。
私たちは新しい幸せな家へ連れて帰るときのIDタッグを用意します。

そして楽しみにしているのはペットのその後のお話を聞く事です。
こうやって最初から最後まで関われるこに感謝しています。

オールド・ウインザー支部はバタシー・ホームと違い小規模ですので、
いろいろなことを手近に見ることができます。
ケネルを管理し、野良犬野良猫が連れてこられるのを見たり、
毛布を寄付してくれる人や寄付をしたりバタシーのグッズを買ってくれたりする人にも会います。

一番大切なことは人の気持をによりそい、理解すること、そして良い記憶力を持つことです。
助けを求める人たちへ手をさしのべる港のような役目になれたらうれしいですね。
普通の仕事というよりは神から与えれらた天職だと思っています」


バタシー・ホームの定期雑誌から抜粋しました。
私は動物レスキューに関わるスタッフ、ボランティアの人たちも神様の手足だと思っています。

神奈川県動物保護センターボランティア通信第6号「イギリス便り」掲載させていただきました。

悲しそうに掃除をする

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バタシー・ホーム発行のレスキュー犬を迎えるガイドブックの続きです。

トイレ・トレーニング

犬は基本的に清潔好きな動物である。
他の動物のウンチを体にこすりつけるというような行為も見られるが、
通常は自分の寝床の周りでは用を足さない。
しかし、レスキュー・センターで長い間生活すると、
環境の変化により排泄のパターンが崩れることがある。

最初は二時間おきに庭か外に連れ出す。
うまくいけばこれだけで矯正できるかもしれない。

だめな場合は以下を参考

犬がトイレに行きたくなる時を察知する。食後、起床後、遊んだ後、
エキサイティングなイベントの後、(たとえば子供たちが学校から帰ってきたあと)
たいていの犬は何らかのサインを示すものだ。
臭いをかいだり、ぐるぐる回ったり、しゃがんだり。

そこをキャッチして、すぐ庭に連れ出すか、トイレと決めた場所に連れていき、
用を足し終えるまで待っていて、ほめまくる。おやつを与える。
遊んでやるなどの褒美を用意しておく。

四六時中見張っておくわけにはいかない場合もあるだろう。
そのときは失敗してもかまわない場所を作っておいてやる。

失敗しても怒らない。失敗を許す余裕を持つこと。仕方のないことである。
トイレの最中や後で怒っても、悪いことをしているとわからせるのは難しい。
ただ恐怖に陥れるだけである。怖いから犬は飼い主にウンチやおしっこを隠そうとする。
ソファの下などの隠れた場所にしたり、あるいは食べたりして証拠を消そうとする。

こうなるとトレーニングはほぼ不可能になる。
飼い主がよく言う「この犬は悪いことをしたと知っている」とか
「罪の意識を感じている様子だ」という表現はまったくの見当違いである。
犬はただ飼い主の突然の理不尽な怒りの表現を見て恐怖と心配を示しているだけである。

猫と長く生活している私にとってこの犬のトイレ・トレーニングはかなりのストレスでした。
どうして怒られているのかわからず、混乱している犬の気持も不憫でしたが、
どこをどうやって教えていいかわからない私もすごいフラストレーションでした。
失敗しなくなったと思ったら、ある日また逆戻り。

その中で、「悲しそうにお漏らしの場所をふく」という友人からの秘伝が
かなり効果的でした。柱の陰から申し訳なさそうに見ていた犬。

長くかかりましたが、ある日ぴったり完璧にわかってくれた時には、
水の概念がわかったヘレンケラーを抱きしめるサリバン先生のように
犬を抱きしめる私でした!

新婚時代

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新しい犬がやってくる。最初の数週間はばたばたと過ぎる。
これはいわゆるハネムーン期間である。
次から次へと家の決まりごとを学ばなければならない犬は
右も左もわからないので、様子伺いのため、良い子の仮面をかぶっているからである。
この期間を過ぎると、たいていの犬は家のルールがどのくらい厳しいかをテストし始める。
かまってくれとうるさくしたり、おもちゃやご飯のことでわがままな振る舞いをしたりする。
そして飼い主の後をついてまわるようになる。これは依存症と呼ばれるものである。

飼い主は最初はまんざらでもないと思う。
犬が自分といつも一緒にいたいと思ってくれるのは嬉しい。
トイレにまでついてくるのでさえも微笑んでしまう。

しかし、外出するのが難しくなり、一分でも置いていけないということになるとどうであろう。
依存症の犬は唸ったり、吠えたりしがちだ。
留守番のときは物を壊したり、おしっこやウンチをまきちらかす。
飼い主がいないことに耐えられないからである。
その理由でバタシー・ホームに連れてこられた犬もいる。
大丈夫である。これは解決できる。

犬が十分な愛情、注意、安全を受け、 なおかつ依存しすぎないようにするための簡単なステップがある。

1. 最初の数週間はあなたにまとわりつかせないこと。
愛情をたっぷり与えてもよいが、それはあなたが決めた時間にすること。

2. ドアからドアへとついて歩くのをやめさせる。ドアを閉めて別々の空間にいさせるようにする。
依存性の強い犬は過去ずっと飼い主に触れていなければ不安になるという過去を持つ.

離れる練習をする。犬が落ち着く場所へ残し、噛むものやおもちゃを与えておく。
部屋を出るときも騒がず、静かに出ていく。一日中数回これを繰り返す。

この練習は非常に大切である。特に学校の休みが終わったときや、
あなたが犬のために仕事を休んだりした後の犬のショックははかりしれないものがある。

3.犬が本当に好きな玩具を与えなさい。
たいていの玩具は人間と一緒に遊んで初めて面白いものである。
犬だけで楽しめる玩具を探してみる。消毒した刺さらない骨。
ビスケットをつめたコング。アクティビティ・ボールやバスター・キューブ。
普段の日は隠しておいて留守番の時だけあげればありがたみが増す。

いろいろなことを試しても、一匹でいることができない犬はプロのアドバイスを速やかに受けること。

バタシー・ホームの「犬を引き取ってから」のガイドブック続きます。

我が家のレスキュー犬も最初は異常な依存症でした。
誰かにくっついていなければ生きていけない様子で、
これでは不便な犬生だろうなと同情しておりました。
いまだに強いですが、
薄皮をはがすように少しずつ回りの世界を見渡し始めているようです。
だんだん「犬」になってきているようで、里親冥利に尽きます。


プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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