動物たちは代わりに豆腐を注文できない

archan.jpg


「月曜日は肉のない日に」という小さなステップ。
肉の消費量を少なくしようという動きは動物擁護者の方たちにとって吉報であろう。

豚と牛を食べないが、鶏と魚は食べ続けるという人が増えてきた。
おそらくは動物を「食べる動物」と「ペットの動物」とに分類し、
哺乳動物は長いまつ毛の奥の目が魂を宿しているとして
愛玩動物カテゴリーに入れるのであろう。

食卓から一種類か二種類の肉を排除する意図は良い。
けれどトータルでの肉の消費量は変わっていないとしたら、
実際はもっと多くの動物を殺す事につながっているということはご存じであろうか。

何故なら少数の例外を除いて、鳥や魚は豚や牛より小さいからだ。
一日数百グラムのビーフステーキを一人で毎日食べても
一頭を消費するのは一年かかる。
しかし、チキンやサーモンを毎日食べれば、年間何百匹を食べることになる。

鳥や魚は哺乳類に比べると同情票は少ないようだが、
七面鳥は愛情を注がれること、精神的な刺激を受けることを
楽しむ反応があるらしい。
鶏と真向いでつきあった人は誰も彼らが
個々の性格があるということを否定すまい。

また.一般的に魚は数秒の記憶力しかないと思われているが、
捕獲網のどこに穴があいているか
最初にひっかかったときから数ヶ月経ても覚えている。
魚は他の魚や人間の顔も認識することができる。
ダイバーは水中撮影をするとき魚たちが興味深げに、
親しげに寄ってくると証言している。

合衆国の「動物を人道的に殺戮する法律」の中に鳥は含まれていない。
ということは合衆国で殺戮される動物の95%が
対象外になっているということである。
州ごとに規制の程度こそあれ、無いに等しい。
縛られ、放り投げられ、意識のあるうちに喉をかき切られる。
羽毛をとる薬液のタンクに生きたまま投げ込まれる。
.毎年100万匹の鶏や七面鳥ターキーが生きたまま煮沸されるという。

魚の神経組織が他の動物と異なるので、魚は痛みを感じないと
ずっと言われてきたが、最近の実験でそれは間違っていることが証明されている。
魚の唇に刺激剤を注射すると
水槽タンクの壁にひっきりなしに唇をこすりつける。
痛みを伴わないとこの行動は見られない。
さすれば、魚が口びるに針がついたまま数日間も漁船で運ばれるのは
非常に苦痛に違いない。
しかもこれはデッキの上に打ち上げられて、ゆっくり窒息させられる前の出来事である

海洋哺乳動物を愛する人たちはいるかや亀、鯨などが
網にひっかかって命を落とすことを知らないかもしれない。
また魚の乱獲は食物連鎖の生態系を破壊することになる。
岸辺に打ち上げられたペンギンの腹の中は空っぽである事が多い。
魚がいなくなると、それに頼っていた動物たちは
豆腐を代わりには注文できないのだ。

動物を殺戮する残酷さは殺される前から始まっている。
鶏卵用の鶏は、太陽にあたり、土にまみれ、子供を育てるという
自然の本能をとりあげられ、ぎゅうぎゅう詰めにされ、重なりあい、
糞尿にまみれ、まっすぐ立っていることも羽を伸ばすこともできない.。

5時間のフライトで根をあげている私たちを想像してほしい。
鶏は少なくとも1年間はこの状態なのだ。
環境がましなフリーレンジの鶏の数は非常に少ない。
しかしその鶏たちさえも、保護の法律がないため、用が済めば、
生きたままブルドーザーにかけられ、ゴミとして埋められる。

ミルク製造も非常に残酷なシステムの上に成り立っている。
哺乳動物は出産しない限りミルクを出さない。
子牛を取り上げられた母牛は何日も何日も子牛を探しを求めて鳴く。
子牛は乳製品産業の過程中のゴミなのである。

肉をやめ、ビーガンライフスタイルに移行しようとする人はまだまだ多くはない。
しかし一つの肉の代わりに別の肉を食べるということは
事態を良くすることはなく、返って悪化させることになる。
それよりも今消費している肉の量を半分に減らし、
半分を植物にすることは益が非常に大きい。
そんなに難しいことではない。
植物のみで作ったマヨネーズはハインツの普通のマヨネーズと勝るとも劣らない。

昨年、ホールフーズがチキンサラダを植物だけのサラダと間違って出したときも
誰一人として気が付いた人はいなかったのだから。

Thinking of Giving Up Red Meat?
http://www.latimes.com/opinion/op-ed/la-oe-singer-dawn-vegetarian-half-measures-20161016-snap-story.html
Peter Singer
ロスアンジェルスタイムス2016年10月

スポンサーサイト
プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
ホームページ
私に何の関係があるというのだ

最新記事
多くの方々がご覧くださった記事
カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

大の男が号泣するとき
When a big man cries キンドル版
イギリスの動物保護団体
ノン・キル・シェルターの成功法ヒント
お一人でも多くの方へ
当サイトはリンクフリーです。転載、引用、ご自由になさってください。 動物たちにとっての最大の脅威は「残忍な人間たち」でありますが、 同時に「実際に何が行われているかを知らない人たち」です。 どうぞお一人でも多くの方に広めていただければ、 これに勝る幸せはありません。 本ブログは私がすべて英語より意訳/荒訳/超訳/創作訳をさせて戴いております。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
QRコード
QR