自分に出来る事を出来る範囲で

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かなり昔の記事ですが、英国人のチャリティ精神の根っこが理解できる
興味深い視点だと思っていてずっと保管しておりました。
イギリス在住の笹川真理子氏の「広く根を張るイギリス人のチャリティー活動」

趣味というのは仕事以外のひまな時間を自分のために使うものと思いがちですが、英国任の中には暇がないようにしているか、あるいは他人のために暇な時間を使う人が結構多いのに気がつきます。
少々話が脱線して見えますが、英国人のこの特性を分析するために、心理学者のマズローの「欲求段階説」を参考にしてみましょう。

彼は人間の欲求を1)生理的欲求 2)安全の欲求 3)所属と愛の欲求 4)承認の欲求 5)自己実現の欲求の5段階に分けています。

第3段階までは容易に理解できるでしょうが、第4段階では、自分の実力を人から認められたいと欲しますが、第5段階では無死の境地で行うことが、他人のために尽くすことになっていると解説されています。

こうしてみると、英国人はこのレベルに達している人の割合が高く、またそれも晩年になって人生の悟りを開くのではなく、幼少の頃からその生き方を見につけていると見受けられます。

確かに家の周りをぐるりと見渡すと、皆何かしらチャリティ―活動に携わっているではありませんか。右隣は精神障碍者を支えるメンキャップと、妊娠・出産・育児を支援するナショナル・チャイルドバース・トラスト、向いは両親のいる老人ホームでの修繕やガーデニングの奉仕、その右隣は救世軍、左隣はカトリック教会のカウンセリング施設のケアテイカ―。その他ホームレスの人達のためのスープキッチンやイーリング病院の売店でのサービス、パンダ・マークでおなじみの野生動物保護協会の支持者、結婚問題解決「リレイト」の賛同者、そして単に70代のおばあさんが80代の友人の世話をしているものまで千差万別です。

チャリティ活動の要素には、お金を献金する、物を提供する、労働奉仕をすることがありますが、英国人には最初の2つは当然で、自分の時間とエネルギーを捧げているかどうかがポイントとなるようです。

話は少しずれますが、昔日本では母親に母乳が出ない場合、近所の女性でお乳があまるほど出る人からもらい乳をしていました。それは情け、慈愛が溢れる行為で、困った時はお互いさまという、コミュニティーの中での自然な助け合いでした。一方、英国ではウェット・ナースという乳を専門に与える女性が賃金で雇われていました。

ところがその後、日本では地域社会での絆が薄れ、自分の身内以外は赤の他人という希薄さに至っています。その逆に、西欧の伝統に希望、信義、慈善、正義、賢明、節制、勇気の7つの徳目を持ち、裸の者には着物を、飢える者には食べ物を、寝る所のない者には宿を与え、病人や牢獄に囚われた人を訪れ。。。と説くキリスト今日にのっとって、英国やチャリティー活動の根を社会に張り巡らしてきています。

英国人は常に世界に目を開き、どこで人々が助けを必要としているかに敏感に反応します。それとともに、自分がじっくり関わる奉仕の対象を、しっかり定めてもいます。自分に出来る事を出来る範囲で気負いなく行う態度には、本当の余裕が感じられます。自分の興味の対象を自分のためだけでなく、他人のために広げることはできないか、特技をいかせないかを再考をしてみようと思います。



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プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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