安楽死(Good Death) - ベンジャミン先生の手紙 2

2011/ 01/ 25
                 
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At Hamilton Terrace

「安楽死」についてのご質問ですが、非常に大きな問題です。
個人によって見方も状況も違います。
何時間も何時間も討論し続けることができるでしょう。

ペットとしての動物は私たちに全面的に依存しています。
食物、水、寝床、暖、仲間、保護、愛、そして病気になったときのケア。
特に彼らの最後の日々は飼い主の精一杯の優しさと愛情が必要です。

血液検査技術の進歩により、獣医は動物の残された時間を
ほぼ正確に推測することができるようになりました。
確かに自然にまかせるという選択もあります。これが一番簡単な方法でしょう。
安楽死という選択をしなくてもいいからです。
また文化的、宗教的な観点から安楽死以外は考えられない人たちもいるでしょう。

私は、この非常に個人的なことがらに関して、強要すべきではないが、
たいていの飼い主より何千倍もの経験をもってして
ある程度の方向性を指し示す義務が、
―飼い主とペット両方のためにー あると思っています。

動物にとって不必要な苦しみは何の得にもなりません。
自由意志を与えられ、苦しみが浄化の過程だと考えられたり、
天国での良い場所を約束する悔い改めの苦行として
みなされたりする人間の場合とまったく異なります。

動物はいかなる状況に置かれても
苦しみを良いことだとか望ましいことだと思うことはありません。
ただただ苦しみのみです。
自然界では傷ついたリ病気になった動物はそんなに長く苦しむことはありません。
その前に他の動物に食べられてしまうからです。

安楽死を「自分の決定がこの動物の命を絶つ」というネガティブなものではなく、
長引く無用な苦しみを愛する動物に味あわせてはならないという愛情の行為であるという
ポジティブなものとしてとらえてみてはどうでしょうか。

その決定をなかなかできない人たちがいます。
私が見た限りでは人間の医師が自分たちのペットを安楽死させることが困難なようです。
おそらく彼らは人間の臨終のときと比べてしまうのでしょう。

私は動物の立場にたって考えることにしています。
飼い主にとって苦しい選択である「安楽死」は
ペットを苦しみや痛みから解放することができる救いなのです。
致死量の麻酔薬を投入する痛みのないものです。
不要な痛みを取り去って見送ることができることは
私たちのありがたい特権だと考えています。

自然ではないと反論する人があるかもしれません。
自然に死なせるということは必ずしも早く痛みのないものではありません。
ときとして残酷にもゆっくり 、呼吸困難や痙攣を起こしたりと
悶絶の苦しみを味わうこともあります。

安楽死 Euthanasia―ギリシャ語で「良い死」という意味を
もう一度考えてみてください。

お役にたつかどうかわかりませんが、
この複雑な問題をできるだけ理にかなうような言葉にしようと
最善の努力をしました。

私の写真を使用されたいとのご希望に関してですが、
私の人生の野望は「絶対有名にならないこと」です。
しかし、どうぞ使ってください。

最後にあなたの猫イランの安楽死のときの記録を見直してみました。
私は断言します。

あなたはイランのために正しい決定を、正しい時に、
そして正しい理由で下したということに
まったく疑いの余地はないことを。

Ben Shorten MVB MRCVS
Veterinary Surgeon

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コメント

        

No title
安楽死を反対するものとしてコメントします。
安楽死云々を考えたりする前に
延命治療、いえその前の病気治療、もっと前の毎日のケアについて
もっともっと真剣に時間をかけて考えてほしいです。
自然に動物は食べなくなり、あっという間に死んでしまうと思います。
Re: No title
さくらさん、コメントありがとうございました。
ブログの更新が不定期になっており、コメントを頂いたのに気付くのに時間がかかってしまいました。
お返事が遅くなりまして申し訳ございません。

日本人にとってペットを安楽死させることは非常に受け入れがたいと思います。私もそうでした。
しかし、病気になったので即安楽死ではなく、毎日のケアやできる治療など獣医と飼い主で協力し、
ペットが生を楽しんでいる限り、できる限りの延命治療をします。最後に息を引き取るまで看護し、
看取る方もたくさんいます。しかし生きることを苦痛に感じている場合は、
最終手段として断腸の思いで決断する方もいらっしゃいます。

私は安楽死に反対でも賛成でもありません。ペットに愛情を持っている飼い主が決めることが
ペットにとって一番良いことだと思っています。

ノーマンテイラー邦子