背中を蹴られた


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クラリッサ・ボールドウィンの続きです

悲劇が起こったのですよ。しかも働き始めて一番最初の週に。
チャリティのマスコット犬のボルゾイとウルフハウンドの雑種犬、ツァーという名前ですが、
ちょっと見ておいてくれと頼まれたのです。裏庭に放し、家の中に戻ったとたん、
ツァーは高い塀を乗り越えて消えてしまったのです。

「ああ、なんて事!大切な犬がいなくなった。
これで私の仕事も3日で終わりだわ」と思いました。
ラッキーなことに犬は戻ってきましたが。

幸せな思い出は数え切れません。
中でもシュールズベリーのリホーム・センターで犬の世話係として働いた時、
スタッフの犬に注ぐ、惜しみない絶対的愛情を私は忘れることはできません。
彼らの情熱と献身はただただ素晴らしいというしか表現のしようがありません。

さらにルーマニアのストリート・ドッグを見た衝撃は忘れられません。
あの犬たちの短い惨めな生命をこの目で実際に見たことは
海外におけるNTRスキーム第一弾を遂行させるのに十分なエネルギーとなりました。
これを何とかしろと背中を蹴られ、前に突き進まされた感じでした。

また1976年のあの日のこともはっきりとよみがえります。
オフィスにいるときテムズバレー警察から電話を受け取りました。
仔犬繁殖農場が閉鎖されるので、犬たちを全部引き取って欲しいと。
何匹いるかまったく見当がつきませんでしたが、
トラックを一台借りて、深夜の町を飛ばしました。
懐中電灯を照らしながら、一晩中かかって50匹の憔悴しきった犬たちを保護したのです。
ニューベリーとエバーシャムのセンターに手分けして新しい家を見つけましたが、
一匹だけ残りました。3本足のジャーマンシェパードです。
トリポッドと名づけて団体のスポンサー・ドッグとなりました。

続く



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プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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