今年は何千匹の犬が最後の7日を収容所で過ごすことになるのだろう

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レスキュー・センターが活躍するイギリスでは、健康な犬猫の殺戮処分はないという印象が
あるかもしれませんが、行政が管理する動物収容所(パウンド)があり、
そこでは殺処分が行われています。そこから救い出そうとするレスキューセンターも必死です。

ロンドンのパウンドに取材に行ったガーディアンの記者の記事です。

犬収容所のクリスマス後の悪夢

イギリスの行政犬収容所に連れてこられた犬たちは8日後に殺処分を受ける。
誰が聞いても涙が出てくる話であろう。

ロンドン近郊に3つの区役所が共同使用している大きな収容施設がある。
迷犬、野良犬、捨てられた犬がここにすべて収容されるが、収容期間はわずか7日間である。

飼い主が現れなかったり、レスキュー・センターの引き取り場所がない場合、殺処分される。
ドッグ・トラストによると昨年はおよそ9000匹の犬が殺戮されたそうだ。

記者が訪問した収容所は悪夢であった。凍えそうな湿った檻の中。
人間とのコンタクトもベッドもない鉄のドア。
壁もなく騒々しい音が耳をつんざく。犬の吠え声、人々の叫び声。
こんなにおびえた、みじめな、興奮した犬たちを見るのは初めてであった。

犬たちの執行猶予期間はたった7日間である。
レスキュー・センターがいっぱいであれば、もう行くところはない。幕引きである。

レスキュー・センターは健康な犬を殺処分しないかもしれない。しかし行政はする。

北ロンドンの小型犬レスキュー・センターで働くジェーンは収容所から今回3匹ひきとりにきた。
一匹はスタフォード。恐くてプラスチックのベッドの中で震え動けない。
2匹めは小さいテリア。ジェーンに噛み付いた。3匹目は吠えるのやめない犬。

30分後、3匹はレスキューセンターに到着し、やっと暖かさと平和と静けさの中に迎えられた。
優しい女性二人が恐がっている犬たちを白い毛布でくるむ。
ほんの数分の愛情と心地よさで、恐怖に震えていた犬はたちまちのうちに愛らしい忠実な犬に変わる。
収容所の環境に対して冷静でいようと思った私であったが、そんな気持ちはすっ飛んだ。

「何度行っても動揺します」とジェーンは言う。
「もう欲しくないから、年をとったから、病気になったから、耳が聞こえなくなったから、
漏らすから、白内障になったから捨てる。歯が悪くなったというだけで捨てる人もいます。
あるいは腫瘍になるかもしれないしこりが見つかったから検査の金がない、そんな金はだしたくない、
治療などとんでもないと」

レスキューセンターはすでに一杯である。
しかも12月にクリスマス・プレゼントでもらった仔犬に飽き飽きしてくる3月は
犬をもってくる人間があとを絶たない。

「犬はクリスマスだけのものではなく生涯のものである」
というドッグ・トラストのスローガンは35年間続いているが、
「犬を飼う前によく考えよう」という新しいキャンペーンも始めた。

犬を手に入れるのはますます簡単になってきている。
オンライン、マーケット、ペットショップ、通りで少年から犬を買うこともできる。
年間5万匹以上の犬が収容所より劣悪環境の仔犬農場から洪水のように世に出される。
そして区役所は彼らにまだ免許を発行しているのだ。

誰が聞いても涙を禁じえないこの状況において
責められるべきはこの無責任な貪欲なブリーダーたちであり、
無責任に買い、捨てる人間たちである。

今年は何千匹の犬が最後の7日を収容所で過ごすことになるのだろう。

Guardian UK



ハワイご在住のF様から
広島県で活動されているNPO法人犬猫みなしご救援隊の皆様が
「広島県における犬猫の定時定点回収の即時廃止を求める請願書」を
作成していらっしゃるとの情報をいただきました。

定時定点回収というのは決まった日の決まった時間にいらなくなった犬猫を
飼い主が捨てに行き回収する収集車のことです。
以前アメリカとイギリスのマスコミで呆れられた
トラックの中で殺戮処分を行う「死のトラック」の記事を思い出しました。
広島は殺処分が日本一になり、さらにその収集車に2000万円の税金を費やしていると
聞いています。
殺処分を減らす努力ではなく、
いかに効率よく多く殺すかにアイデアのエネルギーを注ぎ込む人たち。

本日、請願書に署名をして日本に送りました。
締切は今月末です。
メールの場合はサインしてスキャンして添付メールで送ってくださいとのことです。

犬猫みなしご救援隊



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プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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