35年間変わらないメッセージ

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スノーホワイト、スリッパーズ、ボタンズ、プリンスチャーミング。
4匹の犬に名付けられた名前である。小さい。ハムスターといってもよい。
生後2日くらいである。おそらくスタフォードシャーテリアだろう。
靴箱に入れられてスーパーの前に置かれていた。

ドッグ・トラストのカンタベリー支部長のアダムは
子犬たちにミルクを飲ませながら嘆く。

「この寒さの中、ミルクも与えられない状態で
どうなるか想像がつかない人間の頭はどうなっているのでしょうか。
クリスマスの5日前に新しい犬を手にいれる?
この残酷さ利己性は明らかに宇宙の意志に反しています」

ドッグトラストは安楽死反対の立場をとっている。
「不必要な殺戮処分の恐怖を与えない幸せ」を犬に与えることをモットーとしている。
そのためには他のチャリティ団体よりずっと複雑なオペレーションを必要とする。
たとえば90%はスタフォードシャー・テリアかその雑種である
バタシー・ホームに犬を引き取ってもらうためにはかなり待たなければならない。
しかもあまり多い犬種は引き取らない場合がある。
なぜなら「すでにセンターにいる犬にまず家を見つけなければならないからだ」という理由で。
ということは家が見つからない犬もいるということである。

家が見つからない理由はたくさんある。犬の容貌も加担するが、シェルターが悪いときもある。
田舎で走り回っていた賢いコリー犬が
小さいケージに閉じ込められたら、暴れまわるに決まっているではないか。

悲しいケースもある。イングリッシュ・ブルテリアのリリーは犬舎に8年間いる。
家がほぼきまりかけたことがある。
リリーをひきとってもいいと思ってくれた飼い主候補者と何回か面会をした。
そして最終面会のとき、リリーはご主人にとびつき、
腕時計のストラップに爪がからんで痛い思いをしたのだ。
その時以来、リリーはご主人を見ると唸るようになった。
ほんの小さなことだったのに、悲しい結末となった。

「悲しい事は多々ありますが、その中でも胸が痛いのは、
仔犬のときから7,8年飼った犬を飼い主が何の感情もなくシェルターにもってくることです。
スマートなみなりをした男性がシーズー犬を引き取ってもらうために
受付でフォームに記入する。まるで獣医に連れてきたかのように犬を置いていくのです。
今までの獣医記録、保険記録、ワクチン、そして小さいころからの写真も。
こんなに犬をかわいがっていた人がどうしてこんなことができるかと不思議でたまりません。

カンタベリーセンターでは毎日25匹から30匹の犬を置いていこうとします。
20年の間、捨て犬の数が減ってきたと思っていましたが、また増えてきています。
不景気のせいだと言う人が多いですが、直接の原因ではありません。
貸家に移ったり、家主が変わったり、カップルの別居だったり、
仕事で長時間家を空けたりするようになったと、どれもこれも私にとっては悔しい理由です。

私はよく考えるのですが、もし犬が言葉を話すことができたら、犬は絶対

「捨てられるよりも、家に8時間一人ぼっちでいるほうがいい」と言うに決まっています。

犬はクリスマスだけのものではない、生涯のものであるという私たちのメッセージは35年来のものです。
長い訴えではありませんか。人生設計が容易に見えていた昔と今は違うかもしれません。
しかし「犬は玩具ではない。プレゼントとしてあげるものでない」ということは永遠に変わりません」

GUARDIAN UK


クリスマス後のこの時期、公園は仔犬を連れた慣れない飼い主で一杯です。
仔犬は世話のハードルが高いのですが、
可愛さあまって、それに気づいていませんね。
数か月経って、やはり、皆さん、ほぼ退場です。
あの仔犬たちは何処へ・・・・・


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プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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私に何の関係があるというのだ

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