この犬に会いにいかねばならない

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At Victoria & Albert Hall


ルーカスとジュノ ー レスキュードッグと死にゆく少年の深い絆

シェルターから犬や猫を引き取った人の多くは
レスキューペットから何かしら特別な思いを受け取ると言う。
セカンドチャンスを与えられたことを
動物の勘として感じているのではないだろうか。
シェルターに収容され、数日後に殺処分となるはずだった
ベルギーマリノス犬、ジュノの場合もそうであった。
テネシー州のファミリーのもとへ来て以来、
4歳のルーカス少年の命の支えとなったのである。

ルーカス少年はサニフィリッポ・シンドロームという
糖を分解する酵素を作ることができない、
遺伝的な代謝の病にかかっている。病気が進行するにつれ、
話したり、歩いたり、食べたりすることができなくなる。
神経にもダメージを与え、攻撃的な行動をとることもあり、
興奮したり、ひきつけをおこしたりもする。

「私たちにとって一番悲劇的なことは
治癒の見込みも治療の方法がまだないということです」と
ルカース少年の父チェスターは語る。

「このままいくと、ルーカスは15歳を越えられないでしょう。
そしておそらく8歳までには植物人間になっています。
それを思えば、一瞬一瞬が特別で貴重な時間です。
私も妻のジェニファーも息子がまだ少しでも何かができるうちに
できるだけ多くの人生体験をして欲しいと願います」

祈りとあきらめない心

病がルーカス少年の関節を冒し始めたころ、
チェスターは息子が安全に歩けるよう、サービス・ドッグを探した。
しかし一匹15,000ドルかかるといわれ、
さらに、息子の身体状態と精神状態ではサービス・ドッグを雇うには適当でないと告げられた。
父親は「その答えを受け入れることを拒否した」と語る。

祈りとあきらめない心はチェスターをジュノに導いた。

「レスキューサイトを見ていたとき、ジュノを見つけたのです。
この犬に会いにいかねばと
腹の底から気持ちがわきあがりました」

家族みんなで2時間かけてシェルターにいるジュノに会いに行った。

「ジュノは衰弱していました。あと数日で殺処分の予定だったのです。
前の飼い主が犬種の扱いがわからず、シェルターに引渡したということでした」

チェスターはジュノを訓練した。「ジュノはすごい。予想以上でした」 
恐るべきスピードで次から次へと覚えていった。
運のよいことにチェスターは数年前法的機関のオフィサーとして
この犬種を取り扱っていたので
その性格を熟知し、愛していた。

「警察犬の訓練を手伝っていたとき、この犬種は、本当に仕事をしたい、
人間役に立ちたいという気持ちが強く、絶対あきらめない気質を持っています」

警察犬として非常に人気が高いばかりでなく、戦線でも活躍する犬種である。
オサマビンラディンを襲撃するときに使われた犬も同種である。“

戦線で見せる勇敢な気質と同時に、小さい息子に仕えることができることも
確信する必要があったとチェスターは語る。

「リードをゆるめて歩かせても、私を絶対ひっぱることはありませんでした。
次はルーカスとの対面だったのですが、
彼らはすぐにお互いが好きになりました。姉弟のように」

「正式なトレーニングに入る前にジュノにゆっくり家になじんでもらいたかったのですが、
最初の瞬間からジュノとルーカスの結びつきには特別なもののように見えました。

ある日ルーカスの車椅子の周りをジュノがぐるぐる回っているのを見つけました。
くんくんとなき鼻で私をつつくのです。
あわててルーカスの酸素レベルを調べるととても低くなっていました。
早速酸素を吸入するとルーカスは元気になり、
ジュノはルーカスを嬉しそうになめていました。
その時私はジュノが神経の変化を嗅ぎ取る能力があることに気がついたのです。
それ以来、ルーカスがひきつけをおこしそうになったり、
酸素レベルが劇的に低下したときに私たちに教えてくれるのです。

何度ルーカスの命を救ったことでしょうか」

ジュノはルーカスが歩くとき、文字通り肩を貸す。
ルーカスが興奮したら、落ち着かせる役目を果たす。
チェスターはジュノに休憩を必ず設けているが、
ジュノをルーカスのそばから離すのは非常に難しいという。

「二人が離れているのを見たことがない。見事ですよ。運命だったんだな思います」


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全国から6000通のお見舞いの手紙がきたそうである。

Today pets and animals

世界中で何百万匹殺戮されている犬や猫たちを思います。
みんなジュノのように優しく賢い子達なのだろうに。

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誰もが、こんな風に特別な存在と心を通わせることができる、
その人に、その気さえあれば。と思いました。
ルーカスくんとジュノの姿を目にすることで、
ただ感動するだけでなく、
誰もが、身近にいる特別な存在をより一層大切にしてくれたらいいなと思います。

Re: タイトルなし

ぷーどるさん、いつもありがとうございます。
私もご紹介させていただく記事が外国の良い話で終わらないように
願っております。
お互いにとってかけがえのない存在となった生命が
あと一歩で殺されるところだったのです。
恐ろしいことです。何とかしなければと思います。

こちらからお邪魔します

はじめまして!ツイッターからちょこちょこって
返信させて頂いてたのですが、スマートフォンの
いじいじすることったら、もぉ~~

いつも、楽しみに拝見させて頂いています。
このお話は、テレビでも見た記憶があってすごく感動しました。
しかし・・最後のコメントにズーンってきました私

「世界中で何百万匹殺戮されている犬や猫たちを思います。みんなジュノのように優しく賢い子達なのだろうに。」

人生変えてくれる子一杯いるだろうに・・ですね。

Re: こちらからお邪魔します

こんにちは!RTやご返信いつもありがとうございます!
やはりスマホよりPCのほうが弾丸打ちできますよね!

こうやって助かって愛し愛される犬猫はほんのほんの一握りです。
その陰で殺されていく愛情あふれるたくさんの動物たちを何とか救うシステムは
確立したいものです。
プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
ホームページはただいまサーバーの不具合で閉鎖中
少々お待ちください。
contact: alicetigger24★hotmail.com

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