胸をはって言えるきちんとした理由がある

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At Regent Street

ウッドグリーン・アニマル・シェルターの犬の行動と訓練部長であるスー・ケトランド氏が
レスキューペットを貰う利点をシステムを説明しながら語る。


こんなに多くのホームレスの犬猫が家を必要としているそばから、
どうして純血種をどんどん作り、次から次へと買っていくのか?
これはチャリティ団体で働くすべての者たちが心の中で繰り返し問うことである。

チャリティで働く者は人間のベストフレンドである動物たちを
愛しているからこそこの産業を選んだ。
レスキューセンターの給料は低い、長時間働き、休日も週末もない。
恒常的に動物たちであふれかえるセンターの中で、
スタッフは彼らがベストなケアを受けるよう常に監視の目を怠らない。

仕事環境は両極端に感情を揺さぶられるところである。
一方では動物に対する想像もつかない虐待に直面し、
もう一方では私たちを支えてくれる人たちの心が
金のように輝いているのを見ることができる。
その両極端の間をいったりきたりする毎日である。
どんな一日になるかわからない。
ハートが壊れるか、喜びであふれる日になるか。
どんなふうに転ぼうとも、私たちは誇りを持って仕事を遂行する。

里親のプロセスが非常に難しいと最近マスコミに寄せられていた記事を読んだ。
すべてのチャリティが同じようナやり方をするわけではない。
シェルターの規則はそれぞれ違い、
ちょっとでも条件にはずれると引き渡しをしないところもあり、
犬一匹一匹にひきとる家庭の子供の適正年令をつけてあるところもあり、
昼間仕事に行く人には犬を譲渡しないシェルターもある。
こういったリストは永遠に続く。

しかしこれらの規則やプロセスはすべて善意の意図から発したものであり、
畢竟飼い主が動物を大切にしていれば、動物シェルターがこんなに満員になっているはずはないのだ。


「心対頭」という葛藤がある。もし「心」が世界を支配するのなら、
この世は素晴らしい世界になるであろう。
しかしその世界では「ものごと」は果たして進むであろうか。
完全なる世界を夢見るが、完璧さとは何であろう。
非常に主観的なものである。ある人にとっては愛すべきものでも、
他の人にとっては憎しみになるかもしれない。
だからこそ人生は面白いのである。

私たちシェルターが目指すのは「中間で」あり、「適度」さである。
これは動物福祉の現場で働く者たちは覚えておかなければならないことである。
もし完璧な家庭が現れるのを待つのであれば、犬や猫は長い間待たなければならない。
けれど、水と食べ物と寝る場所と医療と運動と愛を与えてくれる家、
他の言葉で言えば「適度な家」を見つければ、
犬はすぐソファの上で暮らすことができるのだ。

ウッドグリーン・アニマル・チャリティでは犬の基本的要求を満たす家、
それにちょっとプラスアルファをつけるように訓練されている。

私たちはとっくの昔に気がついている。
何エーカーもの広大な土地を持ち、住み込みのドッグ・トレーナーがいて、
飼い主は四六時中在宅であり、小さい子供もいなければ、
問題のあるホームレスの犬をぜひきととりたいという熱心な飼い主。
そんな家は現実にはあまりないことを。

ただ、私たちを信用して大切なペットを手放した飼い主に対して、
ペットの残りの人生が安全であると保証される家を見つける義務がある。
私たちはこの責任を非常に重要だと認識しており、
どんなことがあろうと、経済的にも感情的にも基本を満たすことのできない家に
私たちの動物を手渡そうなどとは夢にも思いはしない。

新しい犬、仔犬を探している人たちにはいろいろなオプションがある。
ブリーダー、新聞、店頭の広告、そして今やインターネット。
ペットをオンラインで購入させようとするサイトも増え続けている。
何故そこで買いたいのか。本当にそこから買いたいのか、
犬猫を飼う前にもう一度考えて欲しい。

名のあるチャリティ団体は犬に家を見つけようとするとき、
動物だけでなく飼い主への手助けもする。
多くのチャリティ団体はメディカルチェック、予防注射、虫下し、のみとり、
そして不妊手術、マイクロチップを施し、
新しい飼い主に一ヶ月の無料保険をつけて渡す。
そして社会に送りだすすべての動物たちの生涯の幸福のために
サポートとアドバイスを与え続ける。

他のどんなところがこの高いレベルのケアと愛情を提供するだろうか。
しかもブリーダーに払うお金よりずっと安いのである。

私たちは飼いたいという人に少々厳しい試練を与えるかもしれない。
しかしその背後には、胸をはって言えるきちんとした理由があるのだ。
私たちの犬は犬を飼うということがどういうことかちゃんと理解している人たちに
手渡さなければならない。
それぞれの家も、人々の経験も、人々のケアの仕方も皆違うということも十分理解している。

ハウツーを最大限に駆使し、ウッドグリーンに友人を探しに来る人すべてに対して
個人としてお迎えする。
もちろんシェルターのガイドラインはある。しかしそれはあくまでもガイドラインに過ぎない。
途中で曲げたり、折ったりすることもできる。
私たちのゴールは動物を可愛がってくれる家を見つけることである。
私たちの動物を地に足のついた真の人たちに渡すことである。

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WOODGREEN ANIMAL CHARITY

犬を貰おうとしている私は「地に足のついた人間」に見せなければなりませんでした(汗)
それは何とか合格して、次は「4時間以上あける場合は隣人が世話をする」という手紙をもって
今度の日曜日出頭します。それから家庭訪問です。道はまだまだ遠い。
こんなめんどくさいなら「いっそ。。」と思うときもありますが、
でもきちんとした理由がわかります。共感します。そして協力します。


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Re: タイトルなし

理恵さん

コメントもありがとうございます。

野良の老犬二匹のお話とても素敵です。
どんなに大変でも二匹の幸せそうな寝顔と嬉しそうな表情や仕草さけで、全て「よし」と思ってくださるお二人。。
状況が目に浮かびます。
会ったことのな老犬2匹の幸せそうな寝息も聞こえてきそうです。
素晴らしいなあ。

そのような方に拙ブログを訪問していただき、本当に嬉しいです。



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Re: タイトルなし

理恵さん

目も耳も聞こえない老犬をよくぞ天国へ見送ってくださいました。
理恵さんご夫婦に拾われるまでは本当にハードな犬生だったと思います。
良い思いを持って天国へ行くことがきました。

見かけが可愛い仔犬を買って、飽きたり邪魔になったりして保健所へ連れて行く人たちと
目も耳も聞こえないよぼよぼの犬を拾い、大切に可愛がって、最後まで看病する人たちと
どうしてこんなに違うんですかっ!と神様を見あげて問いたいです。
もう一匹の犬が元気で長く理恵さんご夫婦と一緒に過ごせますように。

メールありがとうございました。

Re: タイトルなし

FSYAMさん

覗きにいらしてくださってありがとうございました。
そして励ましのお言葉もありがとうございます。本当に嬉しいです。

息子さんはシェルターでボランティアされていたのですね。
素晴らしいです。将来何をされるのでしょうか。楽しみですね。

しかしハワイの人が犬を食べるとは知りませんでした。。
アジアだけの話しだと思っていたのに。。

里親審査はやはりある程度厳しくしないと、仰るとおりどんな人がいるかわかりませんものね。
シェルター以外からは貰わないと思う人はきっと審査が厳しくとも気にしないと思います。
でもシェルターからもらってみようか。。と思っている人たちを
追い散らさないように、その辺の加減が難しいですね。



お返事有難うございます。
ポリネシアには昔は犬を食する習慣があったそうですが、今はハワイの人は食べません。マーシャル諸島では今もあります。ハワイでの犬肉食は主に東南アジアからの移民の人達です。
あまり表沙汰になる話題ではないのですが、あんな事件が報道されると、改めて現実が目の当たりになります…
しかしこれは「文化論」がからむので複雑です。

日本でも里親審査でnoと言われた、というケースを聞きましたが、イギリスも厳しいんですね。確かに面倒臭くなる人もいて当然でしょう…
一日留守でもいい飼い主がいるように思いますが、間違った考え方なのでしょうかね…



Re: タイトルなし

FSYAMさま

私も一日留守でも飼い主がいるほうがいいと思っていたのです。
4時間以上家をあけるなとはなんと贅沢な、屋根があるだけでもありがたいじゃないかと。

でもロンドンのレスキューセンターに限って言えば、
貰い手には不自由していない感じなのです。
だから貰い手を選べるのでしょうね。

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Re: タイトルなし

理恵さん

昨日の私のツイットは以下でした。

農耕民族のほうが明らかに長寿です。四足の動物のような「お皿にのらない大きいもの」「自分が捕まえられない生きもの」「素早く動くもの」は食べず、人間の手の届く物の中でなるべく人間と「進化形態と違う命」(植物)をいただく。それが人間の食の基本なのです。「みどりの癒し」木津龍馬より

この世の中にはお金のためなら地獄に落ちても構わない人がたくさんいるのですね。
プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
ホームページ
私に何の関係があるというのだ

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