チャーチルの使命

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At Regent Street

チャーチルは、第一次大戦後、過酷な状況でヨーロッパに残っていた
何千頭もの馬をイギリスに戻した。
スピルバーグの「戦争の馬」が今月封切られるが、
英兵に仕えた数多くの馬たちはイギリス人にとって特別な思いで受け入れられている。
そしてメール・サンデーのアーカイブにより、
多くの馬がチャーチルの慈愛により救われた歴史的事実が明らかになるのである。

イギリスの軍隊は人や荷物を運ぶ馬に非常に大きな価値を置き、
英国内を始め、カナダ、アメリカからも多額の金を使って多くの馬を購入した。

しかし第一次大戦が終了したとき、本国に馬を帰すことができず、
何千もの馬が飢えや病気などで苦しんでいた。
フランスやベルギーの肉屋に連れていかれそうになっている馬もたくさんいた。

当時44歳であったチャーチルは戦争相であったが、
馬へのひどい処遇の報告を聞いて怒り狂った。
自身の部門と運輸省に怒りの文書を発行し速やかに対処するよう命をくだした。
運輸省はただちに週に12,000頭の馬を帰還させると約束したが、
その4分の一に達成させるのにも苦労した。
チャーチルはさらに1919年2月13日軍部の上層部に非常にきつい手紙を出す。

「そんなに難しいことなら、何かその対策を練っているのか。
劣悪環境で何千もの馬がフランスに残されているというのに、
運輸省は義務を果たすのに完全に失敗している」
チャーチルは戦争相になる前は前線で戦っていたので馬が
どれほど苦労を共にしてくれるかを身をもって知っていた。

チャーチルの介在ですべてが動き始め、
イギリスに帰る馬が週9,000頭にも登るようになった。
当時の首相ロイド・ジョージがチャーチルを1919年国務長官に任命したことも
事態のスピードアップに一役かったようだ。
更なる要職についたチャーチルが馬のことを心配しては新しい仕事にも専念できずと
すべての機関の尻に火がついたのであった。

インペリアル戦争博物館のテリー・チャーマンによると、
チャーチルは動物を愛し、彼の動機は純粋に動物福祉に基づいてものであったという。

「猫からカナリアまで動物をすべて愛したチャーチルは
動物が逆境にいることが許せなかったのです」
自宅の庭で育ったガチョウを食べることができなかったというのは有名な話である。


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顔はこわいけど動物に優しい若き日のチャーチル メールオンラインより転載
MAIL ONLINE

そういえば、100年前、人跡未踏の南極大陸に世界初を目指したスコット大佐が
何故ノルウェーのアムンセンに負けたのか。
これもイギリス人の馬好きによるものなのです。
まず南極大陸に馬を連れていくという発想はどうなんでしょう。
アムンセンは極寒でも元気はつらつのエスキモー犬を連れていったのに。

そしてアムンセンは目標地点に近づくにつれ、
犬を減らしたほうが身軽になると判断し
42匹のうち24匹を射殺し、隊員と犬の食料にした。
残った18匹のうちさらに6匹がくわれ、最終的には12匹となる。
目的達成のために理不尽な仕打ち。憎っくきアムンセン!地獄に落ちろ!

しかし地獄に落ちたのはスコット大佐のほうであった。
足手まといの馬を射殺したほうが良いという部下の申し出を断るのである。
そしてみんなで共倒れになり南極大陸の氷の中へ消えていくのであった。
イギリス人のアキレス腱、それは馬への愛です。



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Re: タイトルなし

理恵さん
おめでとうございます。いつもご訪問ありがとうございます。
私もタロウとジロウの件はかねがね、何だか違うんじゃないかと思っていました。
あの話しのどこが感動物語になるのですかっ!
普通だったら恥ずかしくて闇に葬りたい話しですよね。

。。と興奮してしまいますが、
理恵さんファミリーも2012年が素敵な年なりますように。

あけましておめでとうございます♪

本年も宜しくお願い申し上げます。

イギリス人がそれほど馬に愛着があるとは知りませんでした。良いお話を伺えて良かったです。
肩の痛みは大丈夫ですか(私もここ半年ほど悩まされているものですから、他人事と思えず…私の場合は所謂五十肩だと思いますが^^;)?
HPと別のブログ、興味津々です!

Re: あけましておめでとうございます♪

nah_kawaさん、おめでとうございます。
イギリス人は馬が大好きなので
この世に馬刺しがあることを知れば。。。。。

私の肩はおかげさまでぐんと良くなりました。
しかし今回のことで他人様の痛みが良くわかるようになりました。
本当に痛いというのは大変です。
nah_kawaさんもお大事にしてください。

HPと別ブログ、亀のあゆみですが、よろしくお願いします!
プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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少々お待ちください。
contact: alicetigger24★hotmail.com

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