クラシックとカプチーノの香り

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At Royal Court of Justice

誰かがけっこうな額の遺産を動物愛護団体に残したというニュースを聞くと
ちょっとエキセントリックな赴きがあるかもしれない。
たとえば亡くなったアレクサンダー・マックイーンは
バタシー・ドッグ・アンド・キャットホームに10万ポンド寄付するよう遺言を残していた。
自分の愛犬イングリッシュ・ブルテリアに5万ポンド残したそのうえに。

ところが、バタシーからみると特別に驚くことでもない。
彼らの財産の77%は人々の遺産からきているのである。
その意味でいけばマックイーンが寄付した金額は
目をむくほどものでもないということがわかる。
広報は一生懸命かき集めなくてはならないというが、
実際はすばらしく成功しているチャリティなのである。

さて、そのお金はどこへ行っているのか。
80年代のバタシー・ドッグハウスを知っている人だったら、
暗い廊下、悲しげな目をしたほえる犬たちなどが、目に浮かぶであろう。

それが今はまったく別世界だ。
犬たちは個室に入り、各自おもちゃを与えられ、食餌はもちろん、
カモミール、カプチーノ、ラベンダーなど、犬たちのムードあわせて、匂いが施される。
そしてクラシックFMがかかっているのだ!犬のほえ声でうるさくて人間には聞こえないが、
犬たちにとっては好評だそうだ。

私は冗談を言っているのではない。バタシーでは「ハッピーな尻尾」と呼ばれる状態がある。
あまりにも嬉しくてちぎれるほど尻尾をふるので壁や家具で尻尾を傷つける。
そこで尻尾に小さなプラスターをつけるらしい。 外には遊び場があり、
木を積み重ねたおしっこ場もちゃんと用意されている。

犬が心地よいと思う匂いのハーブガーデンもある。
ビジネスマンとしての仕事をやめてバタシーでボランティアを一年間し
今ではオペレーション・マネージャーをやっているフィリップ・へロンは言う。
「その揺れている尻尾がこのドアから出て行き、新しい飼い主の場所で尻尾を振ることを思うと、
ビジネスマンであったころの世界は何の意味ももちませんね」

別の団体であるドッグ・トラストは
健康な犬は絶対に殺さないとのポリシーを掲げているが、
バタシーは犬が危険な犬だと判断されたり、
リホームに適さないと判断された3分の一は殺戮される。

滞在のタイムリミットのないモリーはバタシーに一年近くいる。
でも長くいても犬や猫はかまわないのではないかと思う。
カプチーノの香り、クラシック音楽、そしておしっこのできる庭を持っていれば。

多くの慈善活動家やボランティア(3箇所で400人)を持ち、
企業のボランティアもいる(ドッグフードの会社べディグリーチャムはドッグランを建てた)
バタシーは動物のパラダイスである。人間にもこんなふうに思ってくれるところがあればいいのだが。
by Zoe Williams Guardian UK

guardian uk

動物保護団体のHPに遺産を遺してくださいというコーナーがあり、
遺書の書き方、手続きの仕方など説明されています。
実際遺産を遺す人は多く、チャリティ団体の大切な収入源となっています。
バタシーもたくさん寄付をもらっているようですが、
それが動物たちに還元されていれば何の文句がありましょう。




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ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
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