個人の闘いではなく -マクドナルド

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At Paddington Station

マック名誉毀損裁判はロンドンの普通の市民である
ヘレン・スティールとデイブ・モリス対巨万の富を持つファーストフードの世界の王様
マクドナルドとの6年にも及ぶ闘いであった。

この裁判により勝手放題やっていた悪徳商法を白昼のもとにさらされ、
動物や植物そして社会的に危害を加えている事実を世間に知られることとなる。

ロンドン・グリーンピース・グループは1980年に結成された小さなグループで
(大規模なグリーンピース団体とは違う)マクドナルドのシンボルである「世界はひとつ」、
「アメリカのライフスタイルを」という信条と闘っていた。

1986年、グループは動物への残酷行為、熱帯雨林の破壊、スタッフへの搾取、
不健康な食事というマクドナルド批判のリーフレットを作った。
世界中でマクドナルド反対のデモは行われていたが、
ロンドン・グリーンピースはすべての批判をひとつのリーフレットに盛り込んだ。
「マクドナルドは何が間違っているか」というリーフレットは
ロンドンのマクドナルドの店舗の前で配布された。

ジャンクフードをみんなに食べさせるように
毎年巨額な宣伝費をつぎこんでいるマクドナルドは、
何者であろうと、どの国であろうと、マスコミであろうと
企業を批判するものには脅しをかけていた。
その結果ほとんどの人はこの巨人の前で後ずさりをしたのである。
しかし個人の集まりであるロンドングリーンピースを
訴訟にもっていくことはできなかったので、
その中から5人を選びだし、謝罪するか裁判に立つか選ぶように通告した。

3人の活動家は撤退したが、庭師をしたり、バーで働いていたヘレン・スティール、
そしてパートで郵便配達をしていたデイブ・モリスの2人は揺るぎはしなかった。
1990年マクドナルドは、名誉毀損で二人を訴えた。
ヘレンもデイブも裁判時は無給であり、弁護士を雇う金銭的な余裕はなかった。
しかし、法的知識もなく、裁判の事情にも疎いのにもかかわらず、
二人は闘うことを決意したのである。

彼らの道義的反論は「批判する権利を守ること」と
この巨大な企業の内部調査であった。
幸運にも二人は、彼らに同情したあちこちの弁護士から
無料のアドバイスも受けることができた。
一方でマクドナルドは最高の弁護士チームを雇っていた。。

本裁判は1994年ロンドンのロイヤルコート裁判所で始まった。
裁判は彼らにとって非常に過酷なものだった。
毎朝7時に起き、質問を用意し、証人の集めたりするなどの裁判の準備をした。
裁判が終わってからも翌日のために真夜中まで準備した。
これをすべて日常の生活をこなしながらやらなければならない。
家庭でも職場でもサポートのある
マクドナルドのチームの弁護士とはまったく違った環境であった。

スティールとモリスに力を与えたのはこ
の裁判がマクドナルドと自分たち個人の闘いではなく、
人と動物と自然を破壊している巨大企業に対して
正義のために闘っているという信念であった。
数々の応援の手紙、40,000ポンド集まった寄付、
言論の自由を求めてマック名誉毀損キャンペーンのマーチが行われるなど、
彼らの信念をサポートしてくれる多くの人たちが後ろにいてくれた。

裁判は数ヶ月で終わると思われていたが、6年も続き、
英国の法律の歴史の中で最長記録となった(実際2005年まで続いた)

ついに判決が下され、スティールとモリスは有罪になり、
60,000ポンドの罰金を払うよう命令された。
後に3分の一にカットされたが) 

しかし、ダメージは軽かった。
なぜなら裁判官は同時にマクドナルドは動物を苦しめ、
子供に害を与えるような宣伝を流し、
自分たちの製品の質を画策しているといった企業体質を批判したからだ。
スティーブとモリスは罰金をマクドナルドには死んでも払わないと宣言し、
マクドナルドは世間の神経をさかなでするのを恐れてそれ以上追求しなかった。

マック名誉毀損裁判は道義的にはスティールとモリスの勝利であり、
マクドナルドの企業の歴史において宣伝的には最大のつまずきであった。
この裁判のおかげでマクドナルドは企業利益をあげるために
動物、自然、人にダメージを与える悪い企業のシンボルとなった。

力のある世界をまたにかけた企業に対抗して
普通の市民が言論の自由のために闘った意義あるケースとして
トップニュースで世界をかけめぐった。
ベンパナン「動物の権利を獲得する方法」

そういえば、この裁判からマクドナルドのイメージイコール「不健康」というふうになりましたね。
よくがんばってくれたなあと思います。自分のためだったらここまでやっていなかったでしょう。

この記事をアップしている最中、日本で町に迷い込んだイノシシが皆に追い詰められ、
川に落ちたところを捕まえられたというニュースを何気なく見ていたのですが、
「最後は射殺されました」と結ばれてびっくりです。
なぜ射殺しなければならないのか。恐がらせてそして射殺ですか?



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ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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