恐れることなく闘い、生き抜いた -  ジル・フィリップス

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Jill Phipps (1964 - 1995)

ジル・フィップスは英国の動物権利保護推進家であった。
毛皮の店や農場を閉鎖に追い込んだり、
動物実験に反対するため石鹸会社へ乗り込んだこともあった。

1995年、子牛の運送の廃止を求めて活動していたところ
トラックの下敷きになり死亡した。
ヨーロッパのあちこちの農場で子牛の肉として使われるために、
アムステルダム空港へむけてコベントリー空港から出発するところであった。
ジルは数人の仲間と警察のバリアを破ってトラックに向かい
スピードをゆるめさせるつもりだったのだが、
轢かれて背骨を折ってしまったのだ。

当時、保護団体がこのような行動を起こすのは日常茶飯事であったが、
このときは何かがうまくいかなかった。
証拠不足でドライバーは起訴されなかった。
ジルの母はマスコミに次のように言った。
「警察はどんなことがあってもトラックを出発させようとした。
人が道路に飛び出した時の非常用計画など考えてもいなかった」

ジルの死は世間に大きなショックを与え、
生きた動物の運搬を廃止する動物保護活動家を燃え立たせた。
コベントリー空港からの輸出が停止されたのはそれから数ヵ月後である。
空輸会社社長がヨーロッパ連合の法律を破り
スロバキアからスーダンへ武器を流していたのが発覚し、
倒産に追いやられたのである。

この事件で、生きた動物の運送への反発は強まり、空港だけでなく、
海運輸送にまでも影響を与えることになる。
狂牛病の脅威で子牛の輸送は一旦すべて停止されたが、
その後また再開の動きが出てきたとき、
コベントリー空港は要請が出ても拒絶することを誓った。

「動物たちのために恐れることなく闘い、生き抜いた」
とジルの墓標に刻まれた。

そして彼女のメモリアル・サイトには次のように書かれてある。

「ジルは殉教者ではなく、ヒーローである。彼女の行動は彼女を知っていた人たちにも、
一度も会ったことのない何千人のたちにも励ましと勇気を与えるであろう」

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動物の権利を勝ち取る方法 ペン・パナマン 写真グーグルイメージより転載

動物を救うだけでなく、残された私たちの心の中にも勇気の灯りをともしてくれます。


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ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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