私に何の関係があるというのだ 

What's That Got To Do With Me? イギリスの動物福祉

動物は選挙権はないけれど

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「苦しんでいる動物たちを何とかしようと必死になっている人たちを見て、
なぜ彼らがここまで心配しなきゃならないのかって思ったことありません?
政府がどうして何もしないのかと」

「どうしてでしょうか」

「動物は選挙権を持っていませんからね」

Paul Harvey


動物は投票はしないけれど、私たちはみな一票を持っています。
すべての生き物の命を大切にする政治家にぜひ貴重な一票を投じましょう。


彼女は去っていったけれど

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どの街にも名物人物がいる。

英国のケイト・ウォードさんも例外ではない。
通称カンバリーのケイトは1979年に死去するその日まで
住民からよく知られ愛された人物である。

犬を愛する人であった。出会う犬を次から次へと保護した。
生涯に保護した数は600匹以上と言われる。
彼女は去っていったけれど、思い出と功績は世界中の人々の胸に永遠に残る。

1943年600ポンドでその後犬たちの保護の場所となる最初の家を買う。 
足を痛め、安楽死の運命にあったグレイハウンドを
家に連れ帰ったのが保護犬第一号であった。
その後犬の保護活動が始まるのだが、
出会った犬たちは一匹残らず保護したと胸を張る。

隣人たちが作ってくれた緑の木車をひいて、毎日犬たちと一緒に出掛ける。
寄付を集めたり、自分と犬が一緒に映ったハガキを売って歩いた。
それだけでなくカートのもうひとつの大切な役割があった。
帰りみちに警察に立ち寄りさらに多くの野犬をひきとってかえることだ。

街を歩くケイトと犬たちは写真を撮る人たちに囲まれていた。
彼らは少々の寄付を置いていく。ケイトは喧嘩っ早かったらしく、
近所の人たちはケイトの怒鳴り声を聞いていた思い出を語る。

地元の獣医も彼女が84歳で亡くなるまで儲けをなしにできる限りケイトを助けた。
「犬はみんな驚くほど健康で、寿命を全うしたよ。
ケイトはユーモアがあり、素晴らしい性格、決意の人だった。
本当にさびしいよ」と獣医は語った。

犬の数が多すぎるとか、ケイトのちょっと変わった行動などで
中傷や苦情も受けていたが、市警察は非常に協力的で、
ケイトの往復の道すがらが安全なように取り計らってくれた。

ケイトは段々有名になり、オーストラリア、アメリカでもニュースになった。
1973年11月12日アメリカのNBC ニュースのインタビュー記事が残っている。

どうして犬が好きなのかという問いにケイトはこう答えている。

「私は寂しい独りぼっちな身の上で人間より犬のほうが好きだから」

とは言ったが、実際は地元民の人たちには心を尽くした。

教会に新しい讃美歌集を買うための寄付をしたり、障害児童たちに揺り木馬を、
ベトナム孤児に100ポンド寄付したりしていた。日々の暮らしを少額の年金でまかない、
裕福ではなかったが、自分より弱い立場の人たちには匿名で寄付を続けた。
また自分の死後の遺された犬たちの世話をしてくれるための基金も設立したのである。



私がケイトさんを見つけたのは以下のインパクト溢れる写真から。
この素晴らしい写真の女性のことを調べられずにはいられませんでした。
ケイトさんの愛と功績は永遠に残りますが、
受け継ぐべき私たちは、弱い人たちや動物たちの立場を
あの頃より改善できているのでしょうか・・


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BBC SURREY



家は何を持って家となるのでしょうージャスミンの法律

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英でのペット可の物件は全体の7%です。
飼い主さんにとっては厳しい状況です。
特に心が痛むのはホームレスの人たち。
そのために自分のベッドを諦めている人が多いと聞きます。
ドッグス・トラストなどの動物保護団体も
ペット可の宿泊施設の獲得に奔走していますが、
なかなか難しいようです。

この状況をなんとかしようと
国会議員のアンドリュー・ロシンデルさんと
動物保護団体を中心にキャンペーンが行われておりました。
そして、このたび法案が通り、
2021年1月政府から新しいモデル賃貸契約書が発表されたのです。

2020 年10月の法律施行を要請する
ロシンデル氏の国会での演説の抜粋をご紹介します。
抜粋しても長いですが・・・


議長、私は、犬や他の動物を屋内で飼う権利を
確立する法案を通過させていただくべくお願いに参りました。

家は何を持って家となるのでしょう。
家族や友人、仲間が一緒に暮らせる大切な時を刻む場所ではありませんか。

もし引っ越すたびに、愛する人と離ればなれになるという脅威に
直面したらどうでしょうか?
引っ越すためだけに家族を捨てざるを得なかったとしたら、
家やアパートは本当に家と呼べますでしょうか。

議長、あなたもよくご存知のようにうに、動物は家族です。
私自身、スタッフォードシャー・ブル・テリアの
「スパイク」と「バスター」を飼っている者として、
犬と飼い主の絆がどれほど密接なものであるか、
そしてそれを失うことがどれほど壊滅的なものであるかを知っています。

犬は「人間の親友」以上の存在です。
犬は大切な家族の一員であり、
多くの人にとって、犬と引き離されることは
兄弟や姉妹と引き離されることと何ら変わりません。

しかし、イギリスのほとんどの家主が
ペットの飼育を不必要に禁止したり制限したりしているため、
引っ越しをするペットの飼い主は、
家族が引き裂かれてしまうかもしれないという脅威に晒されています。

犬とのつながりを大切にしている人たち、
愛すべき友人を必要としている人たち、
特に一人暮らしの人たちにとって、
このような制限は差別に他なりません。飼い主にも動物にも残酷です。

引っ越しで、ペットを連れて行けない人は、
信頼できる友人や別に住む家族に譲るくこともできますが、
ペットを完全に放棄せざるを得なく、
動物保護団体の門を叩く人も少なくありません。
バタシー・ドッグス・アンド・キャッツ・ホームによると、
ホームでは年間200匹以上の犬が2番目に大きな要因として、
連れてこられるそうです。

またこの規則はホームレスの人々に最も残酷な影響を与えております。
犬は厳しい路上生活をしながらの心の支えでありりますが、
多くの場合、地方自治体や住宅協会から住宅を提供されたときに、
ペット禁止'条項が付随しています。

宿泊施設の申し出を断ると、
「意図的にホームレスになってしまう」と言われ、
それ以上の住宅支援を拒否されてしまいます。

ジョン・チャドウィック氏の悲劇的なケースがありました。
彼の地元行政が提供した唯一の住宅オプションは、
彼の最愛の犬からの別れを意味するものでありました。
ジョンは悲観のあまり自ら命を断ってしまったのです。
私はここで、飼い主が責任を持って動物の世話をすることを条件に、
多くの人に痛みと心痛を与えてきた ペット禁止条項に
終止符を打つことを提案させて頂きます。

この法案は、今後「ジャスミンの法則」と呼ばれるようになります。
これは、サリー州のアダムス家が所有している
ワイマラナー犬、ジャスミンにちなんでいます。
実家を離れて暮らしているご子息ジョーダンは、
母親が休暇に出かけるときなど時々
ジャスミンを自分のアパートに泊めたいと思っていますが、
彼が住んでいるアパートの入居者に制限が課せられているため、
ジョーダンはイギリスで何百万人もの人々と同じように、
愛するジャスミンを自分のアパートに連れてくることができません。

もちろん、多くの家主さんのご懸念はわかります。
無責任な飼い主は、動物だけでなく隣人、
さらには不動産を所有し管理する人々に
損害や心配を与える原因となることは事実です。

そのため、飼い主が、入居前に、健康で行儀のよいペットであり、
ご自身も責任のある飼い主であることを証明する
獣医からの証明書を取得する事が必要です、

議長、この国の多くのペットの飼い主が、
住む場所を見つけることが
動物との永久的な別れを意味するかもしれないという
厳しい現実に直面していることは、正しいことではありません。
特に非常に多くの人々が孤立している現在に、
ペットを所有することができることは、
人の健康と精神的な健康に不可欠なことであります。

フランス、ベルギー、ドイツ、スイスが、
賃貸住宅でのペットの全面的な制限を禁止することができるのであれば、
イギリスもそうすべきであると思います。
名だたる動物愛好の我が国が
動物福祉の世界的リーダーであり続けることを立証する時です。

賃貸契約から'ペット禁止'条項を削除する「ジャスミンの法則」は、
大家さんにとっての後退ではありません。
時代遅れで不公平な「ペット禁止」条項に取って代わるより良いものであり、
大家さん、借主さん、そしてもちろん動物たちの心の安らぎを意味する
合理化されたシステムになります。

当法案の中核をなすものは、個人の責任、個人の権利、
動物愛護の価値観を表していますので、
今日、私は全国のすべての責任あるペットの所有者に適用されるこ
れらの重要な自由を法律に制定したくお願い申し上げます。



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ロシンデル議員
写真 Huffington Post UK


英首相官邸の新しい犬

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首相官邸の新しい入居者が決まった。

新首相となったジョンソン氏とパートナーのシモンズさんは
15週の仔犬を官邸に迎える。
ウェールズの仔犬繁殖場が放り出したジャック・ラッセルの仔犬である。
下顎がずれた売れない商品だった。

この犬は南ウェールズの保護団体フレンズ・オブ・アニマルズの
アイリーン・ジョーンズによって救出された。

首相官邸にはすでにバタシー・ホームからやってきたラリーがいるが、
官邸に属する猫とは違い、
仔犬はジョンソン首相とシモンズさん個人の飼い犬となる。
縄張り意識の強いネズミ捕り大臣のラリーとうまくやっていけるであろうかと
心配されたが、まだ仔犬なのでおそらく大丈夫だろう
というのが大方の予想である。

8月の初め、首相が官邸スタッフに犬を飼ってもいいかと伺いをたてたとき、
みんな大喜びでイエスと答えたそうだ。
散歩のボランティアの申し出もあるらしい。

首相とシモンズさんは保護犬を飼うことで、
来年4月から実施される仔犬繁殖販売を禁止する
いわゆるルーシーの法律を多くの人に知って欲しいと願う。

ルーシーの法律は仔犬繁殖業から2013年救出され、
2016年死んだカバリア・キング・チャールズ犬の名前が由来の法律である。
ブライアン・メイを含む著名人らを含む多くの人が長年の間闘って
勝ち取ったものである。来年からは出生地など、
法で決められたことを守らない限り、
仔犬仔猫の販売はできないことになる。


イギリスの政治家の公約の中で
動物の福祉に関することは必要かつ重要事項です。

それなのに、キツネ狩りを反対している85%の英国民に
「私はキツネ狩り好きよ」と言い放ったメイ首相。
首相の席争いのとき
「私が首相になったらキツネ狩りを復活させる」と言い放った
対抗馬のジェレミー・ハント氏。
彼らは坂を転げ落ちていきました。

当時環境庁大臣だったマイケル・ゴーブ氏が
ルーシーの法律をバックアップし、施行にまでこぎつけたのは、
彼の実行力の強さに加え、
英国において動物福祉がどれだけ国民の関心事であるか
十分認識していたからでしょう。

ボリス首相はビーガン・ダイエットを試みているそうですが、
今まで動物福祉に言及したことはありませんでした。
2017年にキツネ狩りと闘牛に反対意見を示していただけです。

しかし今回の首相就任の所信表明演説のときには
「英国民の心の中に深く根づいている動物への愛を思い、
世界でも最高水準の動物福祉国家となることを約束する」と説いています。

彼は果たして公約を守るでしょうか。

大丈夫だと思いたい。
ボリス首相のパートナーであるシモンズさんは自然保護活動家であり
動物の権利活動家なので、
彼が表明通りちゃんとやっているかどうか見張ってくれるでしょうから。


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犬を飼うにはあまりにも愚か

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車に犬を放置すると死ぬよと言われなきゃわかんない人は、犬を飼うにはあまりにも愚か