世界は良くなった。スピラがいたから 5

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Q: あなたの活動に興味をもっている人はたくさんいます。
しかし未経験の人、お金のない人など、フルタイムで活動をするのは
難しい人たちがいるかもしれません。どこからどうやって始めたらよいか、
アドバイスを頂けますでしょうか

A: ナチュラル・ヒストリー・ミュージアムの活動をやっていたときは
私はフルタイムの教師でした。レブロンのキャンペーンのときも
まだ教師をやっていました。
思うよりも時間の配分は上手にできるものですよ。
本当に何かを成し遂げたいと思ったら、
時間はいくらでも見つけられると思います。

編集者に手紙を書くことから始めてはどうでしょう。
一般枠の投稿で地域のコミュニティや学校などの新聞に
投稿するのはいかがですか。
ニューヨーク・タイムズの一面にの載せるフルページの広告から
スタートする必要はありません。
投稿する場所はたくさんあります。
あなたが本気であり、良質な記事を書く事ができるならば。


Q: 動物擁護者がおかす最も多い間違いとはどんなものでしょう

すべてが一日で成就すると思いこむこと。
無理でしょう。
一歩一歩の積み重ねです。実行可能なことから始める。

たとえば、学校や職場の食堂に、
もっとベジタリアン・メニューを出すように依頼する。
地域の新聞に記事を投稿する。
あるいは食卓にのる食べ物がどういうふうにやってくるかを
新聞記者に書いてもらうよう興味を抱かせる。
あなたが書かなくてもいんです。マスコミの記者に書かせるのです。
図書館にもあなたの好きなビーガン主義や
動物の権利についての本を置いてもらうように説得する。
一人だけでもできることはたくさんあります。
この積み重ねがやがて大きな成果を生むようになるのです。

動物のために闘っている間、
血が逆流するような事に出くわすことが非情に多いでしょう。
ナチュラル・ヒストリー・ミュージアムの手足を切断される猫たち、
メキシコの残酷な牛の殺害方法、レブロンのウサギ実験などなど。
それを知ったとき怒りに燃えませんか。あなたはそれもどう対処しますか

この世界を聖者と罪人、良い人と悪い人に
分けてみるべきものではないと思います。
たとえば人間は動物を食べることを
意識して選んでいるわけではありません。
小さいときに、肉を食べると強くなると言われて育っている。
研究者は動物実験をするものだと受け入れています。
それに対しても意識的に選択しているわけではありません。

あなた方が攻撃しているのは
実は個人個人ではないのだと思います。
人々を下劣で卑劣だとみるのではなく、
システムを変えたいと思うことです。
それがわかれば、個人をつるしあげ、責め立てるのではなく、
問題に焦点を当てる事ができるようになります。

Q: 今後、活動家はどんな目標をたて、どんな事が達成できるでしょうか。

一番大切なことは畜産業の実態をみんなに知ってもらうことです。
ビーガン・ダイエットを促進することも欠かせません。
このふたつは個人の健康のためでもあり、
環境を守るという点から非常に大切なことです。

一人一人の努力がどんなに小さくても、
大きな変化をもたらせることができると信じること、
それがすべてでしょう。

新聞に一つの投稿をする。それが自信を与える。
カフェテリアにビーガン品を増やさせたとなると、
それがまた、自信となってさらなる行動へとつながる。
最初は達成しやすいもの、できるものから始め、
あなたと同じような活動をしている人とネットワークを作るのです。


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このインタビューはこれで終わりですが、
スピラ氏にはまたちょこちょこ登場していただきたい。


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世界は良くなった。スピラがいたから 4

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Q: あなたの最初のキャンペーン、
ナチュラル・ヒストリー・ミュージアムでの
勝利のことを語っていただけませんか。
それからレブロンへ進むわけですよね。

A: どこから始めようかいろいろ探しました。
一般論で人にわかってもらうのは難しいです。
シャープで分かりやすい問題が人を呼び止められるのです。

私たちはニューヨーク市のナチュラル・ヒストリー・ミュージアムで
残虐な実験が行われていることをつきとめました。
20年以上にもわたって猫や子猫を切断していたのです。
これを一般の人が知ったら、どう思うか。
彼らは誰の益にもならないことのために
虐待を続けていたのですからね。

ミュージアム側に話し合いを申し込みましたが、拒否されました。
そこから私たちのキャンペーンは始まったのです。
一年半続けました。しつこくやることがすべてです
。もしあなたのターゲットが企業であれば、終わるまでやり続けることです。

Q: 一年半どんなことをしたのですか?

A:毎週末デモをしました。
ミュージアムに寄付する人たち、市役所、企業、個人、
ありとあらゆる人たちに申し立て、
ミュージアムが動物実験をやめるようにプレッシャーをかけました。

Q: 効果はいかがでした?ミュージアムはダメージを受けましたか?

A: マスコミが注目してくれるようになりました。
議員が動きだし、ミュージアムには苦情の電話が殺到しました。
遺産寄付をしようとしていた人たちも相次いで中止の意向を示し、
通常受けるはずのサイエンス・コミュニティからの
サポートも拒否されました。
動物実験が責められるべき時代が来たのです

Q:結果は?

A: 一年半後実験は廃止され、研究所は解散しました。

Q: このミュージアムのキャンペーンが
レブロンへの布石となるのはどういう経由でしょうか。

A: ミュージアムの成功である程度自信がつきました。
レブロンは私たちと話し合いを何度もし、
いろいろなアクセスもくれましたが、
結局何もしませんでしたね。
一年間の討議で何も変わりませんでした。
そこで私たちは
「レブロンは美のために何匹のウサギの眼を
失明させているのか」というキャンペーンを打ってでました。

このポスターはマスコミで話題になり、
レブロンの担当者はすぐ首になりました。
新しい担当者と私たちはロックフェラー大学で
代替え実験を行うことに同意し、
レブロンは資金を投入することになりました。

すぐ私たちはエイボンにもコンタクトをとり、
数日以内に同じような資金開発をとりつける契約を
結ぶことになります。
それから次々と他の化粧品会社と協議し、
代替え実験のセンターをジョン・ホプキンズに
設置することに成功したのです。

より良い選択代替えがあることを理解した企業は、
ぐずぐずしているよりはさっさとやったほうがいいと判断しました。



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Q: 1975年当時の動物の権利に対する動向はどんなものでしたでしょう。
あなたのアプローチはどんなインパクトを与えましたか?

A: 当時は動物実験反対の活動が盛んでした。残虐行為の情報を集め、
翌月はもっと残酷なストーリーを探し、それで資金を募っていました。
何かを変えようという動きではありませんでしたね。
暴動を起こせば何かを生み出すことができると信じられていました。

私たちは人間の権利擁護を動物に応用する作戦を
展開することにしました。

Q: あなたの戦略の骨格を教えてください

人を動かすためには何をしなければならないか。
知らせること。それに対して選択肢があることを考えてもらうこと。

たとえば、50年も行われている残酷な動物実験のことを
みんなに知ってもらえば、
私たちは人間と動物にとって益になる代替え方法を
考える事ができるはずです。
変化は歓迎すべきものであると推奨する事も非常に大切です。

Q: あなたは反対者の事を悪く言ったり、見せたりしないという。
動物実験や屠殺所で動物を苦しめている当事者を
なぜ攻撃しないのですか

A: 私たちは悪を排除しようとしています。
それでわかってくれるはずです。
大切なことはだれかに何かに勝つことではなく、
効果的な変化をもたらすということです。

そしてその変化は企業と一緒にやっていくことがもっとも早く、
もっとも確実に実現するのです。


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1998年6月の午後

ニューヨークのアパー・ウエストサイドにある
ヘンリー・スピラのアパートを訪ねた。
「倫理を行動に」という本がまさに出版されるときであった。
この本で実に多くの人が彼の活動に関心を持つことになる。

インタビューは基本的なものであったが、
どうしてヘンリーが動物の権利に関わるようになってきたか、
どうやって戦略を立ててきたか、
今後の運動はどのように展開するのかなど、
あなたがヘンリーの動物解放の思想にまだ出逢っていないのであれば、
このインタビュー記事を目にするあなたは非常にラッキーである。

エリック・マーカス Vegan.Com


Q; 動物の権利に関わってどのくらいになりますか

A: 25年くらいですね。
ピーター・シンガー氏のエッセイ「動物の解放の開放」を読んで以来です。

Q: どのような影響を受けましたか

A: それ以前は人間の権利擁護の運動をしていました。
搾取、支配、弱者を押しのけること、
そういったものに対して闘ってきました。
このヒエラルキーの底辺に動物が存在しているのです。
シンガー氏は人間の権利擁護の延長に
動物たちの自由への解放があると提示したのです。

Q;: それまでのあなたの動物に対する考えはどのようなものでしたか

A: むかし、知人に猫を押しつけられた、その時です、私が目覚めたのは。
猫をかわいがっているうちに、一方では猫を撫で、
もう一方では他の動物の首を切り、
皿の上に載せるという行為。不快な感じがしました。

しかしその時はアクションを取るには至りませんでしたが、
それからシンガー氏のエッセイに出会い、
矛盾について考え始めたのです。

続く



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スピラと猫のニーナ

I want the world to be a better place because I was here 
ウイル・スミスの言葉ですが、
私はこれを聞くたびに動物のために闘った人たちのことを思います。

「義を見てせざるは勇無きなり」は
動物の権利擁護者のヘンリー・スピラ
(19 June 1927 – 12 September 1998)の信念です。
20世紀において最も影響を及ぼした動物擁護者の一人で、
間違ったことに対して腕をまくりあげ、
行動を起こし、劇的な変化をもたらした人です。

1976年、米のナチュラル・ヒストリー・ミュージアムでは
猫を使った残酷な猫実験が行われていました。
ひたすら隠し続けるミュージアムを相手にくらいつき、
実験を終焉せることに成功させたのはスピラです。

そしてニューヨーク・タイムズ紙の一面に出したキャンペーン・ポスター

「美を作るためにレブロンは
いったいどのくらいのウサギを失明させればいいいんだ」

ポスターの衝撃は現代でも仰天ものですが、
当時の社会にどれだけのインパクトを起こしたか

レブロンがすぐ研究所に資金をつぎ込み、
代替え実験を開発するよう行動を起こしたことをみれば
お分かりになると思います。
受けてエイボンなどの化粧品会社も次から次へと動き始めたのです。

行動の人、動物の世界を変えた人、スピラのインタビューや記事など
数回に分けてお伝えさせてください。





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プロフィール

ノーマンテイラー邦子

Author:ノーマンテイラー邦子
ロンドン在住/通訳・翻訳業
保護猫延べ6匹、保護犬一匹、庭にキツネ3匹ほど
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