私に何の関係があるというのだ 

What's That Got To Do With Me? イギリスの動物福祉

助けが必要な時はいつでもここにいますから

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©Kazuyo Yasuda

バタシー・ホームから犬をもらったのは今年の1月です。

生まれて二年間一度も外に出たことがない
ヨークシャーテリアの小型雑種犬です。非常に臆病で怖がり犬だったのですが、
数ヶ月前から子供に向かって吠えていくようになりました。
だんだんひどくなっていくので、「しつけ教室」に連れていこうかという話しになったのですが、
その前にバタシー・ホームに相談してみよう。
しかし忙しい人たちの手をわずらわせていいものかと心配しつつ
けれども、まあ、お奨めの教室を紹介されるだけだろうと思ったりもして、
とりあえず、状況を説明したメールを10月27日土曜日の夜出しました。

すると翌28日の日曜の朝電話がかかってきて
「すぐに連れてこい。月曜日はどうだ。一緒に散歩をして様子を見たい」と速攻の対応にびっくり。

29日にバタシー・ホームに連れていきました。

「イギリスでは誰かが危険な犬と通報すると、警察に連れ去られてしまうのですよ。
最初からやり直しましょう」と実際に散歩に行き、(そのときは吠えませんでした)
ホームでも査定をした後、いろいろなアドバイスや訓練方法を指導してくれました。

そしてその夜以下のメールが届きました。

アーチーを連れきてくれてありがとう。
おかげで、彼の行動を正確に把握することができました。

これからアーチーと一緒にやっていくステップをご紹介します。
まず最初に理解しなければならないのは
彼の問題行動が何であるかを理解することです。
いわゆる「恐怖から生ずる攻撃」と呼ばれるものであると判断しました。
これはアーチーの犬種の特徴であると同時に、ストレスに対する彼の対処法なのです。

みんなの安全のために、しばらくの間は公共の場では短いリードをつけてコントロールすること。
できれば彼が興奮するようなあまり人通りの多いところは避けるように。
アーチーが怖がったとき、あなたの後ろに隠れるのであれば、そのようにさせてください。

吠えたときに、ウォッチと呼ばれるものとハイドと呼ばれる二つの方法があります。
どちらも犬はすぐ覚えます。ただ一度にふたつはできないので、
アーチーに適しているものを選択してください。

家族みんなが均等にアーチーの世話をし、関わること。
今は一人の娘さんに依存しすぎ、犬にとって健康な状態ではありません。

客が来たら、中に入る前にアーチーを部屋に入れること。
首輪をつかんでいれてはいけません。
犬が興奮するからです。リードをつけたり、クリップやおやつで部屋に誘導します。
客が中に坐ったら、アーチーを出す。
しかし、客はアーチーにしらんぷりします。
目を合わせてもいけません。
笑ってもいいですが、アーチーにむかって笑ってはいけません。
普通どおりに会話を続けてください。
アーチーはこの状態で完璧に落ち着いていなければなりません。
これでまだ興奮していたら、もとの部屋に引き戻してください。
あなたが状況をコントロールしてあなたが決めるのです。
それはアーチーにとって良いことなのです。
アーチーを部屋に閉じ込めるのがかわいそうだと思うのは人間の思い込みです。

また、家族の誰か他のメンバーが入ってきたときに吠えると聞きましたが、
それは許しがたいことです。あなた方家族はアーチーのパックメンバーなのです。
吠えたら、アーチーを自分のベッドから出すこと。シーツをひっぱって強制的におろす。
これでも吠えているのなら、みんなで無視して部屋から出ていくこと。

この方法でやってみてください。もちろん一晩で矯正できることではありません。
アーチーはとても愛されている犬だということがわかります。
進展を教えてください。そして言う必要もありませんが、
どんな事でも助けが必要なときは私たちはいつでもここにいますから。

Veronique & Louise
バタシーホーム

メールにはウォッチとハイドの方法が添付されていました。
ヴェロニークとルイーズはアーチーを選んでくれた人たちです。
バタシー・ホームは一生ものの保証書をつけてアーチーを送り出してくれました。